耳なし芳一からの手紙の評価
耳なし芳一からの手紙についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
耳なし芳一からの手紙の感想
一見陰惨なミステリーと思い切や、ドタバタコメディ的作品
とにかく登場人物か「濃い」内田康夫氏の作品は、個々のミステリーでも比較的キャラの性格付けがしっかりされていて、特に浅見シリーズではヒロインの個性や、出てくる地方の刑事の個性のインパクトが強い。非常に印象に残るキャラもいるせいか、他の作品にも登場するキャラも多く、作品同士で相関があったりするのも面白い。「耳なし芳一からの手紙」は、タイトルからして陰気なムードだし、プロローグからして、終戦後朝鮮半島から帰国する苦労の人々の様子が描かれており、一見して真面目な歴史ミステリーを彷彿とさせる。しかし、一変序章の「果奈の出発」以降、殺人も当然絡んでくる展開なのに、この作品はドタバタコメディのような明るさが一貫してある。まるで西村京太郎氏の鉄道ミステリーを思わせるような車中での殺人と思われる事件に居合わせた、浅見と、漫画家志望の果奈、自称ヤクザでヒットマンの高山。事件の被害者でない人物がヒロインなの...この感想を読む