だれも知らない小さな国のあらすじ・作品解説
だれも知らない小さな国は、童話作家の佐藤さとるが1959年に出版した児童向けのファンタジー小説である。最初120部の自費出版として出されたが、編集者の目にとまり講談社より出版された。以降続編として1962年に「豆つぶほどの小さな犬」が出され、1983年までに全6巻が「コロボックルシリーズ」として出版されている。 小学生の「ぼく」は、だれも近づかない近所の小山の中で女の子と「こぼしさま」といわれるコロボックルたちと出会う。その後成人した「ぼく」が、幼稚園の先生になった女の子とともに、コロボックルたちと自分たちとの国を作ることを決意することから物語が始まっていく。 終戦後の児童文学のさきがけとなった「コロボックルシリーズ」は、1959年毎日出版文化賞をはじめ日本児童文学者協会新人賞、アンデルセン国内賞など多数の賞を受賞する高い評価を受け、若菜珪、村上勉の挿絵とともに数多くの人に愛読され親しまれるシリーズとなった。 2014年からは、有川浩の手による「有川版コロボックル物語」が開始されている。
だれも知らない小さな国の評価
だれも知らない小さな国の感想
どこかにあってもおかしくない小人たちの国
昔と言っても、今おじいちゃんになっている人が、子どもだった戦争の少し前から物語は始まります。どこにでもいる普通の、ちょっと冒険心のある少年が、自分だけの遊び場所いわば秘密基地を見つけます。そこは、きれいな泉と小川のある小山で、ふきがたくさん生えていました。そして、鬼門山という名前のその場所には、こぼしさまという神様がいるとう昔話が伝わっています。そこで、見知らぬ不思議な少女とであった日、少年は小人を見ました。それこそ、こぼしさまに違いないと確信した少年ですが、成長し、戦争に巻き込まれ、生きることに必死になっている間に、そのことを忘れてしまいます。しかし、大人になって、ふとした瞬間に、その秘密の場所のことを思い出し、変わらぬ美しさに、そこを自分のものにしたいと思うようになります。そして、青年になった彼は、小人たちの審査をとおり、小人たちの秘密の国の存在を知ります。さらに、不思議な縁にひき...この感想を読む