流星の絆の感想一覧
東野 圭吾による小説「流星の絆」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
兄弟愛
洋食店を経営する夫婦が殺害される。残された幼い三人の兄弟達は大人になっても助け合いながら生きている。時効間近になんとか犯人を探し出そうと動き出す。当時からの担当刑事や犯人と思われる人物の息子との接触の中で事件解決の糸口が次々と見えてくる。謎・殺害理由・関わる人物等々、リズム良く話が展開していき面白い。兄弟それぞれの人物像もよい。東野作品では好きなほうである。被害者家族の心理が上手く描かれていると思う。どんなに重大な事件でも風化するが、被害者家族が抱え続ける悲しみや闇を知り、切なくなる。また、犯人を知り、なんとも言えない絶望感で悲しくなるが、読後感は悪くない。
三人の兄弟。
結末は衝撃でした。思いもよらない結末。いつも東野圭吾さんにはいい意味で期待を裏切ってくれるので東野圭吾さんの描く世界がとても好きでいます。特にこの作品は最初、分厚いなぁ、と思い、読み切れる自信はなかったのですが結局、自分にとってはめちゃくちゃ早いスピードで読み終えていました。有明3兄弟はどうやって成長していくのか、周りにとりまく人たちの様子と両親を殺した犯人への復讐心。悲しい運命を背負って生きるこの三人に心を持っていかれました。それにこの三人を支えてくれる刑事さんの思いやる言葉も胸に響きました。ずっと、この三人は一緒に暮らして行ってほしいと読みながら願っていました。
兄弟の愛…感動しました
幼いころに両親を何者かに殺された3兄弟長男・次男・妹は復讐を誓いながら大きくなっていきました。時効間近になり、成長した彼らは動きだします。事件当時から彼らを見守ってきた刑事を利用し犯人の手掛かりを危険を冒しながら探っていきます。そんな中で、明らかになっていく新事実.が次々に明らかになっていきます。本当は血のつながりがなかった妹の存在・・・・知りたくなかった両親の過去・・・・揺れ動くそれぞれの感情の中で兄弟の絆はどのように変化していくのか・・・目がはなせませんでした。そして最後に犯人を見つけ出したとき兄弟の復讐を果たすことが出来るのか・・・感動のラストがそこにはありました。
殺人事件の被害者の子供たちという劣等感
まず第一に、ストーリーが面白かったです。幼少時に両親を殺された三兄弟の末っ子が、両親を殺したと疑わしい人物の息子に恋心を抱いてしまいます。二人のお兄ちゃんの気持ちを考えても、末っ子として大切に育てられてきた妹の気持ちを考えても、切なくなってしまいます。 物語の序盤は三兄弟がひょんなことからやり手の詐欺グループになってしまう、というストーリーで、ここではシリアスな色はまだまだ薄いです。後半に進むに連れて、だんだんと物語が加速していきます。ここのあたりの構成も面白い。 孤児として生きてきた三人の孤独、また親を殺された被害者であるという意識や世間からの目など、様々な事柄に焦点があてられていて、それぞれの心情描写も圧巻です。