水神の評価
水神の感想
新田次郎文学賞受賞作
目の前に筑後川が悠然と流れていながら、台地上の土地のためその恩恵を受けることができずにいた百姓達が堰を建設し、水路を張り巡らせる大工事に挑む物語です。近くに川があるのに畑が干上がったり雨が降れば大水によって浸水してしまうという過酷な土地に生きる人々を丁寧な文章で書かれていて読みやすいです。百姓を救うべく自らの財産や命をかけてまで立ち上がった五人の庄屋は実話を基にしているようですね。本当に立派な人物であったと思います。費用を自分達で全て持つとは中々言えることではありません。時代小説で百姓に視点を当てたものはあまり読んだことが無かったので新鮮でした。