あのとき始まったことのすべてのあらすじ/作品解説

人生を変えた一冊

はっきり言って、主人公とその彼女の恋愛事情は全然感情移入できないんだよなー。というか、したくないと思ってしまう。だめだと分かっていてその時の感情に流されてしてしまうっていうのはどうなんだ！　と思う。悪い結果にしかならないじゃないか。でも白原さんと柳くんの二人がすごく良くて。白原さんに柳くんみたいな人が現れて、本当に良かったなぁ、と思った。自分はそれまで、なんとなく、お付き合いするなら自分と似たタイプの人のほうがいいな、と思っていたのだが、白原さんのアボカドのくだりを読んで以降、自分にできないことをやってのける人って素敵だなぁ、自分と違うタイプの人だと、そういうところで自分一人じゃ見られない景色を見せてくれるのかもしれないなぁと思うようになった。だから、この二人の存在で、この本に出会えて良かった、と思っている。