この人を見よのあらすじ・作品解説
ドイツ人哲学者・フリードリヒ・ニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche) による1887年秋の著作、『この人を見よ』は晩年の本人の自伝的作品である。ニーチェの発狂は1888年であるが、著者の半生や既に刊行されていた著作『悲劇の誕生』『ツァウストラはこう語った』などの内容をその前年に自ら作品内にまとめている。ニーチェの作品の特徴である皮肉交じりの巧みな文章表現は、自伝でありながら文学的価値も認められている。 原題『ECCE HOMO(エクセ・ホモ)』はラテン語の成句であり、出典はヨハネによる福音書の一節である。 日本語訳は岩波文庫から手塚富雄版(1969/4/16)が、同訳者により岩波文庫クラシックスから(1982/9)、新潮文庫より中尾幹二版(1990/6/22)が、それぞれ出版されている。なお、ちくま学芸文庫から出版されている川原栄鋒訳の全集の15巻版には、訳者による解説に加え、著者の自伝集が収められている。
この人を見よの評価
この人を見よの感想
狂人
死んでしまった人のことをとやかくは言わない。しかし彼がこの著作「この人を見よ」を読むと狂人が書いているようにしか思えない。その証拠としてこの直後に友人たちに「僕はビスマルクの生まれ変わりかもしれません・・・いえ、もしかしたらイエス・キリストなのかもしれません。」と云う手紙を受け取った友人たちは異変を察知し、ニーチェを病院に連れて行った。無論、狂った理由は自分の書いた書籍が全然売れなかったことも原因であろう。それであれほどの誇張した文章を高圧的に書いたのである。はっきり言ってこれではナチスと変わらないほどの低俗な書物になってしまった。けれども所々に有意義な警句があるので読んでもそんはしない。いくら狂っていても。