感動的
知性理性的なアンが感情を取り戻すお話です。緊張感のある前半に対して、恋愛感情を取り戻す後半の展開はくるくると気持ちよく回っていきます。理性があったからこそ、感情に正直になれたアン。自分の過去の選択は間違っていなかったと言っています。普通、中盤くらいに話が重くなりますが、この作品は途中からどんどん明るくなるので、新しい感じがします。オースティン自体がこれまでの型から解放されようとしている感じがしました。後半の話の流れは、夢を見ているような不思議な気持ちになります。シュールレアルな何かがあります。アンの思いと、ウェントワースの思いが、言葉のやり取りも少ないのに、ぴったり重なるラストの展開は、神がかり的なものがあります。作者のテクニックに度肝を抜かれます。 感情ウェントワース大佐は率直な人物として描かれています。アンとは正反対です。しかし彼はアンの知性的な判断によって、ふたたびアンを愛するよ...この感想を読む
5.05.0
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