夢幻花(むげんばな)の評価
夢幻花(むげんばな)についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
夢幻花(むげんばな)の感想
前半部の謎の提示と読ませる力はすごいが
謎満載の前半部前半部においては謎めいた構成で、いったい、何がどうつながるのかわからないから、次々とページをめくりたくなる。具体的には、プロローグで描かれる理不尽な昔の無差別殺人事件、これと第1章から始まる主人公の家族の朝顔への異常な執着がどうつながるのか、そんなある朝顔市の夜にせっかく知り合った若い主人公とその彼女はなぜ家族からの圧力で別れなければならなかったのか、黄色い朝顔の意味するもの(これをあまり深追いするなと忠告される人たち)、そして別の朝顔(植物)愛好家である老人が発見した黄色い朝顔とその後、殺される老人。その謎を追う孫娘とこれに先立ついとこの自殺。のっけから謎の満載で、次々と読ませる推進力は相変わらずすごい。最初の驚きは花じゃなく種だった読み進めていくうちに、まず大きな謎が明かされる。最初の驚きは、なぜ黄色い朝顔かという点が明かされるところである。つまりはずっと、なぜ黄色い...この感想を読む