占星術殺人事件のあらすじ/作品解説

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小説レビュー数 3,368件

占星術殺人事件

5.005.00
文章力
4.50
ストーリー
4.75
キャラクター
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設定
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演出
5.00
感想数
2
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1

占星術殺人事件のあらすじ・作品解説

占星術殺人事件は、1981年に島田荘司により発表された長編推理小説である。島田荘司のデビュー作品であり、同氏の人気シリーズである御手洗潔シリーズの一作目である。第26回江戸川乱歩賞に応募され、最終選考まで残るものの落選した「占星術のマジック」を改題及び改稿したものである。2014年、イギリスの「ガーディアン」という雑誌にて、本作品が「世界の密室ミステリーベスト10」の第2位に選出された。 密室状態で殺された画家・梅沢平吉。そして、彼の遺書に記されていたのは、6人の乙女の身体の一部を星座に合わせて切り取り、それらを合成して完璧な肉体を持つ「アゾート」を作成するという猟奇的とも言える内容だった。その後、6人の姉妹が全員殺され、身体の一部がそれぞれ切り取られた状態で発見された。そして40年後、迷宮入りしたその事件の謎を、御手洗潔が解き明かす、というあらすじである。 ちなみに、御手洗潔シリーズは、映像化はされていない。

占星術殺人事件の評価

総合評価
5.005.00
(2件)
文章力
4.504.50
ストーリー
4.754.75
キャラクター
5.005.00
設定
4.504.50
演出
5.005.00

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占星術殺人事件の感想

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デビュー作とは思えない、センセーショナルな作品

かつてこんなに衝撃的なデビューを飾ったミステリー作家がいたでしょうか。あまりの素晴らしさに読了後言葉を失う、そんな小説には滅多にお目にかかれません。この作品を掲げて颯爽とミステリー界に登場した島田荘司に、私は人生の半分以上を捧げてきたと言っても過言ではありません。この作品で主役を演じた御手洗潔は、その後シリーズとして幾多の作品に登場し、島田作品の代表的なキャラクターとなりました。なんといっても彼の魅力はその奇人ぶりにあります。突然走る、叫ぶ、唸る…。名探偵というものは洋の東西を問わず変人ばかりですが(ホームズ然り、金田一然り)、御手洗はその最たる例です。また、彼には名探偵に必須の条件ともいえる「自信」が彼には満ち溢れているのです。「解けない謎はない」と言わんばかりのその態度。日本の小説なら桜庭一樹の『GOSICK』に登場するヴィクトリカもそうですが、探偵役のキャラクターがしっかりしているので...この感想を読む

5.05.0
  • ayanemqnayanemqn
  • 74view
  • 764文字

ネタバレ無しで読んで欲しい

島田荘司の『御手洗シリーズ』の知名度を一気に押し上げた作品。できれば、何も知らない状態で読んで欲しいが、この作品に関してはいろんなところでとある作品のトリックと比較して語られてしまっているので、もしそちらを目にされていたなら仕方ない。ただ、その状態で読んだとしても、この作品の魅力は損なわれることはない。作者に次いで神の視点を与えられた『探偵』という役回りは、話を語ることができない。なぜなら、その思考の過程をただ書いていくだけでは、推理小説として成立せず、小説としても魅力に欠けてしまうからだ。それゆえ、古今東西の『探偵』のそばには必ず『助手』のような役回りで、最も探偵に近く、最も読者に近い役回りが必要となる。シャーロック・ホームズのワトスン博士しかり、この作品の石岡くんしかり。推理小説は、読者が助手役の彼(あるいは彼女)と共に右往左往し、真相がおぼろげながら頭に組みあがっている探偵の言動...この感想を読む

5.05.0
  • 244view
  • 523文字

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