星の王子さまの感想一覧
サン=テグジュペリによる小説「星の王子さま」についての感想が13件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
不朽の名作
著作権切れ(?)ということでいろんな方が翻訳されたものが一時期たくさん出回っていたけれど、自分にとってはこの内藤 濯さんの訳がすっかり染みついていて、他のを見ると違和感が大きい。主人公は、主人公であってもストーリーの中心にはいない。聞き役のような感じ。サハラ砂漠に不時着して、彼・星の王子様に出会い、彼からいろいろな話を聞くことになる。「ね、ヒツジの絵を描いて」という言葉の持つ響き。そこで主人公は羊の絵を描かず、ゾウを呑み込んだウワバミの絵を描く。誰にも通じなかったその絵が、星の王子様には通じるというところで、主人公は虚を衝かれたようなかたちに。なんとも印象的なシーン。そういう独特な雰囲気が全体を貫いていて、いい意味で酔える。
大人のための童話
他の方も書かれていますが、子どもの頃読むのと大人になってから読むのとでは、まったく違う作品のように感じる不思議な作品です。子どもの頃、表紙の可愛らしい挿絵に惹かれて手にした時は、正直つまらない話だと思いました。王子様があちこち冒険していく話なんだろうけど、その冒険が心躍るような派手なものではなくて、大切なことをしているのはわかるけど、淡々としていて、他の冒険物語みたいに楽しくないと思ってしまい、そのまま忘れてしまいました。近年、著作権が切れるということで話題になり、ふと思い立って、再び手に取ったのですが、大人になって読んでみると、あちこちにメッセージがちりばめられていたことに気付きます。まさしく『本当に大切なことは目では見えない』ですね。
大好きな一冊です
星の王子さまとの出会いは、小学校の図書室でした。可愛いタイトルと挿絵に惹かれて手に取った覚えがあります。でも、その時は内容が難しくて読み切れず、可愛い絵を眺めて終わってしまいました。 その後に本屋で見かけて、母親に欲しいとねだったら後日にプレゼントしてくれたのが、このオリジナル版でした。 星の王子さまの内容としては、大人向けのおとぎ話。主人公と純粋で可愛い王子さまの友情と、王子さまの旅のお話です。 「大切なものは目に見えない」 王子さまが友達になったキツネに教えられる言葉です。多くの人が挙げる星の王子さまの重要な場面。この本を読んだ人は、 「大切なものは目に見えない」ということを学ぶとともに、自分にとって大切なものとは何かを考えさせられるのだと思います。 ほんとうに心が温かくなる物語です。
いろいろな見方ができる本
中学生のときに、有名な本だから読んでおこう、と思って購入。そのときは、淡々とした話だ、と思ったけど、大人になって読み返してみるといろいろなメッセージがあることに気づく。子供向けの絵本としても読むことができる内容だし、大人向けの本としても読むことができる。その点では、一家に一冊あっても困らない、むしろ、教養のために必要な本であるといえる。内容は砂漠に墜落したパイロットの僕は、星の王子様と出会うところからはじまる。不思議な王子様とともに、バラや羊と出会う。「本当に大切なものは目には見えない」という有名な言葉もある。まだ読んでいないという人にも読んでもらいたい。
大人になってから読む絵本
有名な「星の王子さま」ですが、子供の頃読んだ時は、単に王子さまの冒険のお話しだと思っていました。大人になってから読むと、その世界の深さや、意味などが胸につきささり、涙してしまいます。「大切なものは、目に見えない」という言葉は、子供よりも大人へと向けられていたのだと分かりました。薔薇と王子さまの関係は、素直になれない、男女の恋愛関係にも似ていると感じました。飛行士であったサン=テグジュペリは、出撃後、地中海上空で行方不明になったそうですが、どこかで、同じように星の王子さまと出会っているのではないかと思ったりします。「星の王子さま」は、翻訳する方によって、色々なニュアンスが楽しめるので、読み比べるのも良いと思います。
大人にも深い味わいの寓話
この本は、子供向けに書かれた童話ですが、大人にもメッセージ性があるように思います。星の王子さまは、真実のみを受け入れたいと願うものでもあり、。質問することにためらったりはしない。まぁ子どもたちそのものですよね。大人になると多少世の中のことを知るようになるためか・・・中には質問することに恥を感じる人もいて子供のように素直に質問しないっていう時もありますから。ある意味子どもぽいですよね。わがままなんですよ。自分だけでどうにかしようとして更なる問題を作って物事を拡大していくんです。この本を読んでいろいろと教えられることはたくさんあります。10代~60代以上。様々な人々がこのほんをよんでも得られるものはあり、またそれは個々の性格、生い立ちなどで様々な顔を見せてくれることでしょう。
星の王子様 オリジナル版
子供の頃に誰もが持っていた大切な物を成長の課程でどこかに忘れて大人になる。星の王子様は永遠に子供の心を持ち大人にはならない。そんな王子さまとバイロットの僕のつかの間の触れ合いに、私達大人がどこかに置いてきてしまったとっても大切な物を思い出させてくれます。この物語の始めの方に書かれている『大人は誰かと知り合うとその人のバッググラウンドに対して興味を持ちますが、子供が新しい友達を作る時にはその人の持っている内面の興味に目を向ける。』という意味の文章にはっとさせられました。自らもパイロットで海上で姿を消したサン=テグジュペリ自信が星の王子様だったのかも知れません。子供から大人まで楽しめる小説です。
何度も読みかえすべき一冊
子供のころ、初めて読んだときには「一体この本は何なのだ??」と思いました。挿絵やタイトルは子供の本っぽいのに、さっぱり面白くない。そしてもう一度読み返したのは18歳になってから。そこで初めて、あぁ、子供の本ではなかったのだな、と気づいた。星の王子さまの大切なバラ、実は著者の奥さんのことだと聞き、また読み返すと、なんとも深く温かいストーリー。今では自分自身も結婚して、相手との関係などで疲れてくると、ふらっと読み返します。ストレスが溜まってイライラしていると、どこかの星の誰かさんみたいに自分がなっているのではないか、省みてみたりもします。そして、愛情もって描かれたバラの絵に癒されます。
大切なものは目に見えない
この本と初めて出会ったのは、まだ私が幼稚園児くらいの頃、某大型電気量販店でのことでした。この本と、この本の話を元にしたコンピュータゲームとかセットで売っていて、祖母が誕生日のプレゼントとして買ってくれたのです。私は、すぐに星の王子さまの世界観に魅了されました。王子様の纏う不思議なオーラと、大人になった「僕」。この本の魅力の一つは、なんといっても登場人物ですね。王子様が自分の星を旅立って、様々な星で出会う様々な人こそが魅力なのではないかと思います。そして、作者が読者に伝えたいメッセージもそこに込められていると思います。王子様はまだ子供で、そんな王子の視点で見た人物の印象を通して伝わってくることもあると思います。なかなか言葉にするのは難しいのですが……。最後に、この本の中で好きなフレーズを紹介させていただきます。それは、「大切なものは目にみえない」ということです。裏を返せば、目に見えるもの...この感想を読む
星の王子さま
子供の頃、すすめられて読んでみましたが、難しすぎて良く分からなかった記憶があります。なのでそのまま抵抗が出来てなかなか再読しなかったのですがこの前読んでみると内容が理解できるようになっていました。そしてその柔軟なサン=テグジュペリの発想が綺麗で素晴らしく思えました。「大切なことは目に見えない」という作中の言葉は印象的です。そういうことを忘れてしまった大人はきっとたくさんいる。だけれどそれを忘れずずっと子供の心、自由な心を持っている人が年をとっても暖かい人間でいれる気がします。何回も読み返したい作品です。読むたびに違う発見ができそうです。そして大切なものを忘れないという心を取り戻させてくれる、そんな作品。
子どもだった頃があるから、わかる。
私が、小学6年生のとき、担任の先生から薦められた本でした。当時の私は、「大切なものは目には見えない」っていうことはあいまいすぎてよくわからないままでした。大人になるにつれ、サン・テグジュペリと、その時代背景を徐々に知ることとなり、物語のなかにメッセージが込められているのだと、後で知りました。王子さまと、バラの花。王子さまと、キツネ。星の王子さまの物語のメインはここにあるのだろうなと思います。そして、王子さまは、1年前と星の配置が全く同じ時に、ヘビに噛まれることで小惑星に帰る。別れを惜しむ「ぼく」とのやりとりは、大人になった今、私の一番、涙が出る場面です。「心で探さないと、何も見えない」王子さまは、無事に小惑星へ帰れたなら、「ぼく」が見る星たちは、きっと笑っているように見えるだろう。もしも、王子さまが悲しんでいるならば、その星たちは涙でいっぱいになって見えるのだろう。ものの見方、感じ方には...この感想を読む
伝えにくいのですが...
ボクが大学を卒業して、入社した会社の社長が大好きな作品です。入社前の研修で、社長がボクたち新入社員の前でこう語ってくれました。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」この「星の王子様」の一節を社長の話の流れで聞きました。「心で見る」って何?って最初は思いました。意味がわからないって思いました。何を言っているのかな?って...ボクの理解力不足かなって...でも、「星の王子様」を読み、また読み返すにつれて、意味を理解しました。というより、意味がわかるまで読み返しました。それほどまでに力がある言葉だと思います。そして、自分の力になる言葉だと思います。これは「星の王子様」の、ほんの一部の良いところです。
目に見えているモノだけが全てじゃない
著者のサン=テグジュペリが亡くなってから100年以上経ったため星の王子さまという作品はたくさんの人々に訳されています。今回私が紹介させていただくのは内藤濯さんの訳す、元祖「星の王子さま」です。名前的に子ども向けかなって思われてしまう作品ですが、実際は大人向けな物語です。本の冒頭にも幼かった頃の親友へ捧げられていますし。この本には、いくつか目には見えない本当に大切なことが隠されています。私が一番心に残っているのはこの言葉です。キツネが王子様に語りかけているところ。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」私達は年を取り大人へとなっていくにつれ、色々な知識・経験を重ねて成長していくけど、知らない間に何かを失っていく。その「失ったもの」を思い出させてくれ、そして目に見えているものが全てじゃないことを教えてくれる。何事も心で見ないといけない。この本...この感想を読む