星の王子さまの評価
星の王子さまについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が13件掲載中です。
各項目の評価分布
星の王子さまの感想
不朽の名作
著作権切れ(?)ということでいろんな方が翻訳されたものが一時期たくさん出回っていたけれど、自分にとってはこの内藤 濯さんの訳がすっかり染みついていて、他のを見ると違和感が大きい。主人公は、主人公であってもストーリーの中心にはいない。聞き役のような感じ。サハラ砂漠に不時着して、彼・星の王子様に出会い、彼からいろいろな話を聞くことになる。「ね、ヒツジの絵を描いて」という言葉の持つ響き。そこで主人公は羊の絵を描かず、ゾウを呑み込んだウワバミの絵を描く。誰にも通じなかったその絵が、星の王子様には通じるというところで、主人公は虚を衝かれたようなかたちに。なんとも印象的なシーン。そういう独特な雰囲気が全体を貫いていて、いい意味で酔える。