天に堕ちるの評価
天に堕ちるの感想
まさに、「天に」堕ちて行く人たちの短編集
10篇の短編の連作集。9編が女性が主人公で、1編だけ男性が主人公です。主人公の名前が、それぞれの標題。著者の作品にしては、意外性のある、ブラックな余韻に浸ってしまうものが多いです。ある意味、「不幸な人たち」が、「堕ちていく」話なんだけど、地獄、と言うよりは、まさに「天に」堕ちる、と言うのがぴったりで、良い題名の本だなあ、と思いました。一番、生々しくて怖いと思ったのは、3話目の「茉莉」です。その後がすごく、気になります。4話目の「加代子」の、ふーさんを取り巻く、女性達の関係が面白いなあ、(他人事ならね)と思ったり。6話目の「汐里」は、読後が爽快でした。完成度の高い短編ばかりで、面白く、さらっと読める本でした。