瑠璃でもなく、玻璃でもなくの評価
瑠璃でもなく、玻璃でもなくの感想
モヤモヤの残るラスト
ハラハラ読ませるが、ラストが残念内容は一人の男性朔也を軸にした、妻の英利子と愛人美月の物語です。序盤から中盤までは、先の展開が気になり、非常に面白く読めました。平凡な主婦の英利子の、平坦な日常への膿んだ気持ちや、夫に対して小さく我慢を重ねている心理もよく描写されており、感情移入して読むことができました。また、愛人である美月の、不倫をいけないことだと分かっていながらやめられない気持ちや、友人の結婚を目の当たりにして焦る気持ち、年齢からくる将来への不安感もよく描けていて、もう一人の主人公として成立していたと思います。二人の間に挟まれた朔也は、どちらにもいい顔をしようとする、典型的な不倫男として描かれており、その心理描写はセリフ以外で一切描かれないため、読者としてはその行動にイライラ、ハラハラさせられ通しでした。中盤では、朔也と美月の不倫が原因で、英利子は離婚することになります。正直ここまで...この感想を読む