ジェイン・エアのあらすじ・作品解説
ジェイン・エアは、イギリスの女性小説家シャーロット・ブロンテが1847年に発表した長編小説である。本書は発表後ベストセラーとなり、大きな反響を呼んだ。著者は妹のエミリー、アンとともに、ブロンテ三姉妹として英文学史に名高い。 物語は、孤児となってしまった主人公の女性ジェーン・エアが叔母に引き取られるも虐待され、寄宿学校に預けられる。その後その学校の教師となった後、経験を活かしソーンフィールド家の家庭教師となる。そしてやがて屋敷の主人ロチェスターと恋に落ちるが、彼には既に狂人の妻がいた、というストーリーである。 孤児である主人公とロチェスターとの身分にとらわれない恋愛など、当時のヴィクトリア時代のイギリスにおいて画期的な内容であった本書は、発表当初から評価が高く今日でも英国文学の傑作として親しまれている。 これまでに世界各国で何度も映画化がされているほか、2000年からブロードウェイでミュージカル化もされた。 日本語版は、岩崎書店の村岡花子訳をはじめ各出版社からさまざまな翻訳が刊行されている。
ジェイン・エアの評価
ジェイン・エアの感想
どんなことにも負けない
結構好きで何回も繰り返して読んでいるお話のひとつ。主人公のジェーンが不幸な生い立ちにあるというところは典型的な少女マンガのようだが、このヒロイン、なかなかどうしてサバイバル技術に長けているように思える。人物に対する観察や批評なんかも結構鋭くて、大人顔負けだ。自分がこんな不幸な状況にあったなら同じようにくじけないで自分の運命を切り開いていくことができるだろうかと思う。新しい環境が、たとえ自分に対してあまり親切でなかったとしてもそれを根性と冷静な観察眼でやがて自分に有利(生活しやすい)環境に作り変えていくことができるということは、もう立派なサバイバーだと思う。彼女が自分の強い意志で今までの古い生活から新しい環境にあっさりと飛び込んでいく様子は本当に面白い。