ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅の評価
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅の感想
実際のアメリカの大多数を生きる、もっさりした人々を愛情をもって描く
実際のアメリカは巨大な田舎である2013年アメリカ作品。2016年秋、アメリカでは大方の予想を裏切って、トランプが大統領に選出されたわけだけれど、マイケル・ムーアのような、地に足のついた知性を持つ少数の人々を除いたほとんどの人々は、慌てふためき、驚きをもってこの現象の分析を試みている。メディアでは色々な後付けの意見が溢れ返っているが、現実のシュールさについていけない空白的な無力感のようなものがいまだに漂っていると思う。外国人から見たアメリカと言えば、ニューヨークであり、ロサンゼルスであり、あるいはマイアミやシアトルやサンフランシスコ、ワシントンD.C、ボストン、ラス・ヴェガス・・・。そうした主に沿岸部の大都市がすぐに思い浮かぶけれど、よく言われるように、実際のアメリカは詰まるところ、巨大な田舎なのであり、内陸部の広大なエリアには、隠れたマジョリティーであるところの、多くの田舎者たちが生活を営んでい...この感想を読む