そこのみにて光輝くの評価
そこのみにて光輝くの感想
見たようなシーンと見たようなカメラ割りの連続
愛を捨てたものと愛を諦めたものがあっさり恋に落ちるもともと映画はDVDで観るので、決めるのに重要な要素はパッケージだったりする。またテーマが軽いものよりも重いものが好みだったりするので、こういうのはちょっといいかなと思って観てみたのだけれど。綾野剛が演じるすべてを捨てたような男、佐藤達夫と、小さな町ながらもそこの会社社長と愛人関係にある女、千夏を池脇千鶴が演じる。その二人が、偶然佐藤がいったパチンコ店で知り合った千夏の弟、大城拓児、これは菅田将暉が演じているのだけど、その弟を介して出会って恋に落ちるのだけれど。これがまずもう一回目の出合ったところからすでに、「今日初めて会ったんだよね?」と思わせるくらい、もういきなり恋に落ちてます。そこはなにか一コマでもいいから、そのきっかけのようなものを見せて欲しかった。もともと佐藤はすべてをあきらめてただ生きるだけのような生活をしている男。それがあ...この感想を読む
ここ数年で観た邦画の中でも1、2を争う大傑作。
この映画にはとてつもない説得力と吸引力があるように思います。そこのみにての、そこはドン底の底なのかもしれない。と思うくらい、日本社会の最下層の中の最下層でしかすみ暮らせない人々の人生模様を照らし輝かせるような執念にも近いリアリティが観客に息を飲ませる凄みがあります。それにしても、この映画は出ている役者がみんな、演技巧者揃いで小説を元にした映画ということを忘れ過酷な条件での仕事により同僚を事故死させてしまい、今は現実から逃げ惑う自堕落な青年を、綾野剛が大熱演しています。主人公の彼女になる役で登場する、池脇千鶴も病気により性欲だけが歪んだ形で残ってしまった父の世話をするために、場末のスナックで家族を養っています。この二人の主要人物の日常を冷酷なまでに美しい映像美で切り取りながらストーリーは進んでいきます。もう、明るい要素は皆無と言っても良いくらい悲惨な展開が続くのですが、ちょっと知恵の足り...この感想を読む
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