八日目の蝉の感想/考察/ネタバレ

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映画レビュー数 5,784件

八日目の蝉

4.094.09
映像
4.20
脚本
4.07
キャスト
4.33
音楽
3.97
演出
3.83
感想数
16
観た人
21

八日目の蝉の感想一覧

映画「八日目の蝉」についての感想が16件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

野々宮喜和子と秋山恵津子

犯人である野々宮希和子生後2か月~4歳まで誘拐した「恵理菜」を自分に子どもにつけるつもりであった「薫」と名前を付けて一緒に暮らしていました。希和子は不倫相手でおろした子どもの父親でもある秋山丈博と奥さんの間にできた子どもの顔を見たとたん、自分のおろしてしまった子どもの生まれ変わりと思ってしまったのでしょうか、泣いていた「恵理菜」を抱き上げて連れ去ってしまいました。希和子は薫をとても大切に育てていました。2人で暮らせることをいつも第一に考えていたように思えます。その愛情のかけ方はきっと本当の親子にしか思えないほどだったのでしょう。訪れた先で2人を助けてくれる人がいつもいました。「3つ子の魂百まで」といいますが、ちょうどその時期にしあわせな時間を一緒に過ごした2人だったので、希和子を本当の母親だと思ってしまっても不思議なことではなかったのでしょう。捕まった時希和子は一緒に過ごせた4年間に感謝しま...この感想を読む

5.05.0
  • kilyoukakilyouka
  • 175view
  • 2003文字

インプリティング

私は正直この作品が嫌いです。得点が高いのはあくまで映画としての評価になります。生後間もない赤ん坊だった主人公=恵理菜を発作的に誘拐した、恵理菜の父の不倫相手=希和子の逃亡劇を、大人になった希和子が、様々な葛藤と共に思い返していくという物語。希和子には確かに同情できる背景がある。父親のくずっぷりが一番の原因であることも疑いようのない事だ。しかし、だからといって子供を誘拐していいかと言われればまったくそんな事はありえない。いやまだそこはいい、作品としてはそこは問題ないんだけど、これこそが親の愛だ、という見せ方や、なによりも、観た人の評価が希和子の愛を絶賛するような内容ばかりで辟易する。不倫する父親はクズだが、不倫している自覚があるのに略奪できると考えている考えが浅はかだし、何も知らない子供を、自分の欲望のためだけに浚う行為も浅はか。「私はあなたを愛している」冗談じゃない。浚った相手が全てだ...この感想を読む

4.04.0
  • ピッチャーピッチャー
  • 145view
  • 601文字

八日目の蝉は本当に悲しい存在なのか

”たった七日で死んでしまう蝉よりも、八日目の蝉のほうが悲しい。”主人公の恵理菜はそう言います。0~4歳までの「薫」として過ごした時間が終わり、実の両親のもとへ帰されたときから、彼女は「恵理菜」として生きなければならなくなった。本当の母親のために「薫」という存在を殺してしまわなければならなかった。そうすることができたら、彼女自身もどんなにか幸せだろうと思います。消したくても消せない、自分の中だけで生き続ける「薫」という存在、それが彼女にとっての八日目の蝉なのでしょう。愛情を持って育てたとしても、彼女に植え付けた深い葛藤や家族関係に及ぼす影響を考えると、やはり希和子のしたことは許されざる行為だと思います。ただ、悪意からではないだけにとても複雑な気持ちにさせられます。それは、希和子だけではなく出てくる人間全員に言えることで、みんな何かを守りたいだけなのに、結果的にお互いを傷つけていることがと...この感想を読む

4.04.0
  • 67view
  • 543文字

自己中毒、自己憐憫、自己満足、自分本位、自分中心、自己欺瞞、これをどこまで楽しめるか

四年前のある日、ちっちゃな乳児を置いたまま旦那と車で出かけ、乳児が居なくなりました。「誘拐」です、母は悲しい、「誘拐された」と泣いています。そこへ、四年間の時期「誘拐」されていた娘が戻ってきますが、母親になつかない、四年間育ててくれた人を恋しがって泣きます。この脚本を書いた人は、子供を知らない。母親にとって、こんな辛いことはないのだろう、と観客に訴えかけるのですが、ところがどっこい、これで収益上がるのかなーと思うのです。「命を奪ったら死刑なのに、心を奪っても死刑にはならない」って語りかけるんですが、抽象度が異常に低く、自己中毒の味がする。乳児をおいている時点で、「育児放棄」親権剥奪されても文句は無いところでしょう。旦那も共謀で捕まらないのが不思議。四歳になってる娘が、いきなり帰ってきて母親の顔を覚えているに違いないという自己満足の思考がおかしい。この映画を楽しんで見るお方は、可也限られ...この感想を読む

1.01.0
  • 93view
  • 413文字

復讐からはじまる愛

この映画を拝見する前、ドラマで“mother”を拝見しており、“誘拐から母親として育てる”といった点で、誘拐の根拠は違うけれど、イメージが被っていたので、その違いも楽しみの一つとして拝見致しました。 不倫相手の子供を誘拐するに至るまでの希和子の気持ちや、そして、薫と出会ってからの希和子の変化。誘拐犯に幼少期を育てられた薫が希和子の逮捕後、恵理菜として生きていく上での葛藤が、とてもリアルに描かれていました。一番見ていて感動したのは、希和子が母として薫の為に生きている姿。 どんな事があっても娘を守るという母の強さと優しさが日に日に強くなっていく希和子の姿は、誘拐・逃亡とは関係なく、見ていてとても優しい気持ちになれます。 ただ、クライマックスが結構腑に落ちない終わり方でした。えー。ここで終わっちゃうんだ。。となんともスッキリしない感じ。いや。。これでよかったのか?とモンモンとしました。あと、“...この感想を読む

3.53.5
  • しましましましま
  • 80view
  • 454文字

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