キラー・ヴァージンロードの評価
キラー・ヴァージンロードの感想
嗚呼逃避行。
明日結婚式なのにうっかり人を殺めてしまった女。死にたくても何故だか死ねない女。女性2人のそんな各設定だけ見ると重々しくてサスペンスでホラーで敬遠しがちかもしれませんが、その実、作品としては結構なポップさがあったように思います。隅々まで中々いろいろ盛り沢山でした。もっと爆笑モノにするのも有りだったんじゃないかなとも思うのですが(というかそれを期待して観てしまいましたが)、それでは安直過ぎてしまうのでしょうか。ただ、上野樹里の絵になる感じはもう理屈じゃないんだなというか、演技への真摯さがもたらすものに加えた天性の存在感が如何なく発揮されています。そして主題歌は「旅人」/福山雅治。あのサビが、特に予告で鳴ると一層非常にわくわくさせてくれました。良い曲に出会った映画だと思います。
ラストは少しハラハラ。そして、ん?
冒頭のミュージカルを彷彿とさせる演出。ブラボー!!殺人をしてしまった経緯をわかりやすくミュージカルテイストに仕上げている。コメディなのでシリアスにならないように配慮した結果の演出だろうか?とても軽快で楽しいものになっている。とてもワクワクする演出から始まるこの作品は俳優 岸谷五郎さん監督作品。冒頭とラストは面白い。だが、終盤に差し掛かったあたりで、ヤンキーなお兄さんに追いかけられるシーン。それがくどい。お笑いの世界で言う「かぶせ」というものに近いのだろうが、くどい。「かぶせ」があるから「オチ」が際立つのだろうか。ラストは少しハラハラ。そして、ん? となるに違いない。