フィッシュストーリーの感想一覧
映画「フィッシュストーリー」についての感想が7件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
すべての線がつながる瞬間が気持ちいい
伊坂幸太郎の小説を映画化。これで脚本が面白くないわけがないだろ!ってかんじ。キャストやスタッフもすごく豪華。年代、場所をこえて、話がどんどんつながっていく後半のスピード感がやばい。全体的に、とても完成度の高い映画だと思う。「フィッシュストーリー」という一曲を軸に、いろいろな人の生活、瞬間を描いていく。森山未来がよかった。もとから結構、すきな俳優ではあったのだけど、この映画をみて、さらに好きになった。音楽もなかなかよかった。私は映画を先に見たので、なにも気にならなかったけど、小説を読んでいる人からしたらなにか引っかかる部分もあったんだろうか。気になる。
伏線具合が絶妙
最初は訳が分からず、バラバラだなぁ、と思ってしまった。見たいところで次の時代にいってしまうところが悶々としてしまって。でもラストではそんなことを忘れさせるくらいスカッとさせられる。そしてなぜだか笑いたくなる。伏線が繋がるストーリーは「運命じゃない人」「アフタースクール」の内田けんじ監督作品でハマってしまったけれど、それとはまったく違ったジャンルの伏線を活かした映画。隕石が衝突する、というファンタジー要素が入っているからかもしれない。綿密な計算というよりは少しだけ隙があるけれど、それが絶妙で考える間を与えてくれる。伊坂幸太郎原作の映画作品の中では一番好きな作品になった。
完成度が最強
現実も、世界はたぶん奇跡でできてるんだなと思わせてくれます。予告編見て、たかが1曲が世界を救うだなんて大げさな! とか思っててごめんなさい。ガチでした。2012年の場面、終末っぷりがやたらリアルで、嫌な脱力感でハラハラしながら観ました…石丸さんの存在で厚みを一段と増してる作品になってますよね。様々な時代を取り上げてて、いろんなことがどう繋がるんだろうってもう画面から目が離せない。途中まで観て予想してたもの以上の結末が用意されていました。そして森山未來さんが大変良い仕事をしています。この人すごい役者だ。しかも役が役だっただけに輝きまくりです。あと、最近見る映画見る映画どこかしらに出ている高良君。本作でも、役柄でも存在感も作品に不可欠です。で、もしかしたら多部ちゃんの演技が隅々まで伏線だったと言っても良いのかも。力ある人です。やーいいもん観た!この感想を読む
ラストにつながる連動性!スカッとする終わり方で◎です!
「フィッシュ・ストーリー」という売れないロックバンドの1曲が時代を越えて、連動していくストーリー。原作の小説を未読で映画を見ると、最後の最後までどのように結び付いていくのかよく分からず、全然違うストーリーをただいくつも観ているように思えてしまい、B級映画のように始めは思ってしまいますが、最後の最後で見事なまでの連動していき、スカッとする作品です。それぞれ個性豊かな俳優さん勢ぞろいですが、大森南朋さんが1人2役なのですが、マネージャー役ではないほうが始め、大森さんだと分からず後でビックリしました。また、中村義洋監督作品常連の濱田岳さんはさすがの相性の良さを感じます。あとどーーでも良い話ですが。多部未華子さんの宇宙服姿が似合って無さすぎで笑えます。また、タイトルにもなっているフィッシュストーリーなかなか良い曲で頭に残ります。「僕の孤独が魚だったら~♪」って頭に残りのですよね。作詞は原作者の伊坂...この感想を読む
伊坂幸太郎さんさすが!
大ファンの、伊坂幸太郎さん原作の映画という事で拝見。 時代を超えて全てのエピソードが“フィシュストーリー”で繋がれていく感じが見ていてとても面白かったです。バンド「逆鱗」が何故“フィシュストーリー”という歌を歌うことになったのか。その歌を聴いた青年が何故息子をヒーローにしたかったのか。その息子が大人になり、命を救った少女が地球にもたらした奇跡とは!!全く売れなかったバンドの歌が地球に奇跡を起こします!!! 人生において無駄な事ってないんじゃないかな。。って思わせてくれる素敵な作品でした。 ただ、期待値が高かったからか、あまり意外性とか、映画のテンポがあまり良くなかったかなー。と感じました。
パズルのように緻密で、地味で、派手で、爽快な映画
ストーリー・脚本・演技・音楽 etc.etc. どこを取っても素晴らしい映画!! 映画館に二回足を運び、後日DVDとサントラCDを購入してしまった。もともとは伊坂幸太郎さんの、同名小説(しかも短編!)が原作。それを、実に上手い具合に膨らませて一本の映画に仕立ててある。冒頭、地球に巨大な隕石が落ちることになっていて、人々は絶望に包まれている。そこに現れる通常営業のレコード屋。 一枚のレコード。 それにまつわるロックバンドの話。これは、音楽が世界を救う話(笑)なのだ!伊坂幸太郎さんが、通勤中に斉藤和義さんの曲を聴いていて、会社を辞め執筆に専念することを決意した、という逸話は有名だが、この映画で使われている斉藤和義さんの曲にも注目!ストーリーも、映画の制作自体も、そうした複雑な要素が絡み合って成り立っている。超絶オススメ。
個人的に闘う森山未來が見れたのが一番喜ばしい
時間を超えてつながれるものがある。がテーマの物語。売れないバンド・逆鱗の話から、「世界を救うために」生きてきた男、シージャックに巻き込まれた女子高生、隕石の衝突で地球が終わるまで音楽を聴いていたいレコード店主、へと話が繫がっていく。時間も場所も越えたつながりが、ちょっとずつちょっとずつ明らかになっていくのがスリリングで楽しい。森山未來はカッコいいし、高良健吾はとんがってるし、大森南朋はやさぐれてるし、多部ちゃんはかわいい。出演シーンは少ないけれど、石丸謙二郎がやけに濃いい存在感を放っている。キツイ映画の多い邦画のなかでも、安心して楽しめる、上質のエンタテインメント。