歩いても 歩いてもの評価
歩いても 歩いてもの感想
毒があるけれどそれが人間味
兄の命日に実家に帰って家族で過ごすという、それだけを聞けばほのぼのとしたストーリーを連想するかもしれない。実際に田舎が舞台であり、おいしそうな料理が出てきたりと、そういった雰囲気もある。けれど、チクリチクリと毒もある映画。人間が生きている上できれいごとだけは済まされないことの方が多い。だから、ある意味リアリティがある映画でもある。特に印象的なのは良雄君が帰った後の樹木希林さんのセリフ。グサッと突き刺さるけれど、母親なら仕方がない。母親にとってはいつまでたっても子供は子供で、亡くした悲しみを忘れることなど、許すことなどできないのだから。そしてクスッと笑ったシーンは、「おばあちゃんち」のくだり。男の人はいつまでたっても小っちゃくなって女性の掌で転がされているのかもしれない。
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