モンスターの感想一覧
映画「モンスター」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
悲しくて、つらい。
実際にあった事件を映画化した作品。主演の女優は役作りのために、ふとり、怠惰な生活をしたらしい。演技も高く評価され、アカデミー賞を受賞した。同性愛、虐待などのトラウマ、売春、共感できる女性もそこそこいると思う。私は、みていてすこし気分が悪くなった。現実では残酷な殺人鬼のようにいわれているが、映画では愛のための犯行のように、美しく描かれている。こういうふうに、うまく生きられず、そういう泥みたいな生活から抜け出せない人と抜け出せる人の違いは何なのだろう。信じ、つくして、幸せにしたいと思っても、最後は裏切られてしまう。とても悲しく、辛い映画だと思う。
考え始めると深みにはまる
美しいシャーリーズ・セロンが役作りのために体重を増やし、特殊メイクで別人のようになりながら、大量殺人鬼のアイリーン・ウォーノスになりきっています。シャーリーズ・セロンはただ美しいだけでなく、このような演技ができるんですよね、本当にすごいと思います。アカデミー賞取ったのも納得です。恋人セルビーを演じているのはクリスティーナ・リッチですが、こちらもまた普段の彼女の面影がかすかにわかるかなって感じです。モンスターは実際に起きた連続殺人事件を題材にしています。殺人犯を美化することはできないし、善悪とは何か?など考えていてはこの映画を評価できなくなってしまいます。私は、ラスト以外はこの映画はとてもよくできたラブストーリーだと思いました。
初めてが恐いのは殺人もキスも同じ 二度目は恐がらない
この映画の元になった連続殺人事件逮捕されたアイリーン・ウォーノス13キロ太ってシャーリーズ・セロンが役作り、実在のシリアル・キラー、アイリーン・ウォーノスを演じた。2003年アカデミー賞主演女優賞はシャーリーズ・セロン、この体当たりの変身がが評価された。アイリーンの恋人セルビーにはクリスティーナ・リッチ。ドキュメンタリーのアイリーン・ウォーノス見るとこの映画をもっと楽しめる。彼女の人生は普通に戻るチャンスはあったように見えるが、繰り返し犯罪のほうに走っていくのは、入力されたデーターで人間は行動を選択しているのだと認識させてくれる。シャーリーズセロンは南アフリカ出身で、母親はアル中の夫を殺害している。そんな実際の経験も加わりって居るのがエッセンスになっているのだろう。
おそろしいけど、かなしい話。
実際にあった事件をベースに作られた映画で、犯人のアイリーン・ウォーノスは6つの死刑宣告を受け、アメリカでは10番目となる死刑執行された女性となりました。まともに生きるのがとても困難な状況に陥ってしまった、もう、どうにもならない、そんなウォーノスの役を、シャーリーズ・セロンがど根性で演じています。イーオン・フラックスなどで彼女に惚れちゃった人は、これを見たら別人だと思うこと請け合いです。暴力には暴力で刃向かうしかない、転げ落ちるような不運さ、かなしさが画面を覆い、大量殺人というサスペンスでありながら、見ているうちに、ただただ、どんどんかなしくなっていってしまいます。「恋人」であるはずのセルビーとの痛々しい関係が話の中心に据えられていますが、それじゃあどうすればよかったのか?という問いに、答えの出ない、ただただかなしい話です。しかし、フシギと心に居座り、とても印象に残る映画なんであります。この感想を読む