バッファロー'66の評価
バッファロー'66の感想
疑似から真性の恋愛関係へ
ビリーとレイラの関係性の変化は、二人を捉えるカメラワークと比例していると考察する。筆者はカメラが人物を捉える描写に着目し、ビリーとレイラが疑似から真性へと向かう恋愛関係の変化ついて考えたいと思う。主体の消失=遠距離感前半シーンで特に印象的なのはビリー宅での会食シーン。ビリーの家族とレイラが各々四方に腰掛け、目の前で展開する会話を捉えている視点が次々と変わる。 そこでは視点を捉える主体が消失しているため、家族それぞれが何を考え、この会話を交わしているのか不明瞭である。(ビリーに関しては思い出話のなかで過去を回顧しているが、あくまで自己で内省している)家族で一家団欒というにはほど遠く、ただ客観的に会話と人物を捉えているだけである。この描写がビリー家における冷え切った関係性=愛の不在を表現していると考える。家族団欒で会食をした後の帰り路では、ビリーとレイラの会話が車窓を映しているなかでひたすら...この感想を読む
もっと発展させることができたはず
低級感がわさわさのB級映画ストーリーは博打で組織に迷惑をかけた代わりに無実の罪で刑務所に五年服役したチンピラが、両親のもとへ行くというところから始まります。両親には自分が政府関係の仕事をしていて遠く離れていたことや妻がいることを伝えていたため、手ごろな女を半強制的に連れて行くのでした。そして昔から一方的に好きだった女に遭遇したり、自分を裏切った男を殺そうとたくらんだりするのですがが、結局出会ったその女との愛に生きようと決める。という、まあ、反省ものというか、人生あきらめもの(この辺で手を打とうかなという)の作品です。のっけから低級感がわさわさと漂っていて、いわゆるB級ムービーに属する映画です。ロードムービーというほどには、場所は移動しないのですが、主人公の動きとその女のたたずまいが結構な深さで印象に残ります。ストーリーの絞込みもよくて、静かな映画に仕上がっていて、ビシッとした部分もあって...この感想を読む
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