ライフ・イズ・ビューティフルの感想一覧
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」についての感想が10件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
「そこ」にいた人々の等身大の視点を感じさせる一本。
ロベルト・ベニーニが監督・脚本と主演を兼ねた、ナチスの強制収容所に送られたユダヤ系イタリア人親子の物語。収容所内の描写が静かで、直接的な表現は押さえられているにもかかわらず、ヘビーです。父・グイドの行動がとくに喜劇的に表現されている嫌いはありますが、そこにいた人々は常にどこかに押し込められていたわけではなく、そこにも社会があり、さまざまな取引や葛藤などがあったことは、フランクルの「夜と霧」などを彷彿とさせます。ラストに向かっての若干唐突に感じられる流れも、戦況によって簡単に投擲されたり命を奪われたりした人達の立場を、むしろリアルにあぶり出しているように思います。
人生は素晴らしい
確かに重い内容ですが、観終わった後に妙に心が温かくなるお話だと思います。 内容が想像つくだけに、観るのを躊躇していましたが、やはり自分が生きていく人生において、観てよかったなと思わせてくれた作品です。 どんな、苦しい状況でもそれに負けなかった主人公。 負けないというのは、すこし違うかもしれません。 あの中で、確かに彼は自分の人生を精一杯生き、そして楽しんでいました。 人間は、環境ではなく自分の心次第で幸せにも不幸にもなるということを、彼に教わった気がします。 彼にあったのは、「愛」だと思います。 人を愛する心と、楽しい心を忘れずに生きた彼をみて、私もいつでも前を向き楽しい心で人に愛情を与えられる人になれたらいいなって思いました。 戦争ものだから、収容所の話だからと躊躇せず、この物語の本当の深い部分を感じるために、是非一度観てみてください。
評判通りの感動ストーリーですが、とにかくヘビーな作品
きっと世界〇大感動映画とかを挙げると、大方の人が挙げるであろう世界を代表する感動映画ライフ・イズ・ビューティフル。確かにエンディングは感動の嵐ですが、それはそこまでのストーリーが重く苦しいから反動で感動も倍増しているように思えます。ユダヤ人に対する迫害行為がストーリーの主軸にあるのですが、ほんの数十年前の話とは到底思えないほど、日本人は平和ボケしているのだと実感してしまうほど目を覆いたくなるような光景が未だに脳裏に残っています。ただ、そんな暗い歴史の話なので、映像は全体的に暗く重苦しい空気になります。しかし、脳裏に残すだけ覚えておくべき過去の歴史であるので、学校の授業などで観せてもよいのではないかと思います。きっと他の方のレビューと同じような内容になってしまうかもしれませんが、生きているという事のありがたみを再確認でき、タイトルどおり生きているって素晴らしいと思えてくる超良作です。この感想を読む
涙なしでは見られない究極の愛の物語
この作品で、アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得したロベルト・ベニーニが主演の、優しく悲しいそれでも愛に溢れた作品です。主人公のグイドは美しく優しいドーラと色々なユーモアで楽しませ、ドーラの愛を勝ち取って息子をもうけます。当時はムッソリーニがイタリア中をファシスト政権で覆う不穏な空気が漂いますが、グイドたち一家は楽しく暮らしていました。しかし戦争は一家を悲しい歴史の渦へと巻き込んでいきます・・・・・・。グイドの面白さは本当に愛に溢れたものです。最初はドーラが対象でしたが、収容所では男女別々なので、息子のジョズエに恐ろしい収容所の実態を見せないように、必死に努力するグイドの姿が明るくて痛々しくて涙が止まりませんでした。グイドは女子棟にいるドーラにも放送で愛を伝えたり、どんなに辛い状況でも家族への愛を忘れないグイドは天使のようでした。戦争はすべての家族を引き離し癒すことのできない傷を作ります...この感想を読む
グイドのユーモアに引き込まれる
こんなに主人公が愛おしい映画はない。初めからグイドワールド全開でとにかく楽しい。グイドがいるだけで日常に魔法がかかったように変わるまるでディズニーのように。婚約者がいたドーラが惹かれる気持ちが分かる。絶対に幸せになれる。前半は特に、ふわふわした物語だと思っていたけれど第二次世界大戦、ユダヤ人という背景があれば避けては通れない壁にぶつかることになる。それでもグイドの魔法は変わらない。ジョズエが最後まで笑顔でいられたのだから絶対に。きっと現実はもっともっと過酷な状況だろうと思うけれど、敢えて楽しく描かれているから突き刺さってくる。何度見ても愛おしい映画。
温かいけど、悲しい。
ユダヤ人迫害に抗うことができない情勢の中、家族で収容されたグイド。愛する家族を守るため、息子に恐怖を感じさせないように懸命に明るくふるまう姿は、胸が苦しくなります。どんな状況下でもドーラやジョズエに対する愛情があふれていて、胸が熱くなります。純粋に父親の言葉を信じ、幸運にも難を逃れるジョズエ。このまま逃げ延びればいいのに・・・と祈らずにはいられません。愛情があふれているからこそ、「所詮は映画。キレイゴトだ」という思いが捨てきれないのも事実です。キレイゴトが貫かれて欲しいと願う反面、綺麗に明るく描かれている悲劇に、なんとも言えない気持ちが捨てきれません。
悲惨な中でも明るい
ナチスのヨーロッパ侵攻が拡大するにつれ、ヨーロッパ全土にユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れます。同盟国であったイタリアも例外ではなく、ユダヤ人狩りの魔の手が忍び寄ります。ユダヤ系である父は底抜けで明るく楽天的な人物ですが、息子と母親とともに収容所に送られます。しかし父親は持ち前の明るさから、子供にこれをゲームだと信じ込ませ、様々な演技で収容所生活を楽しませようとします。無邪気な子供はそのため最後まで収容所の過酷な現実から救われて、ラストは米軍の侵攻とともに救助され母親と再会できます。不幸にして父親はその寸前でナチスによって殺されてしまいますが、父の努力のおかげで子供は不幸な境遇の苦しみから救われた状態になります。悲惨な現場でありながら、ここまで人間は明るく楽天的になれるものなのかと感動さえ覚える良作品です。
人生は宝物
楽しくて、優しいからこそ、切なくて泣ける。そんな映画です。戦争という過酷な状況下の中、ユダヤ人の収容所に送られてしまう、と設定はとことん暗いのですがそんな中でも明るさ、楽しさ、そしてユーモアを忘れない主人公。収容所で強制労働をさせられる中これはゲームなんだよ 頑張れば戦車がもらえるんだ!と息子を思うためにつく嘘は本当に切ないです。どれも、家族を想うからこそ、ですね。前半は、奥さんとの出会いをややコメディタッチで描いているのですがこのシーンがあってこそ、後半が際立って素晴らしいんだと思います。人生って美しい!明日から楽しく生きようと思える映画です
人生は美しい!
実際はこんなではなかったと思われる強制収容所。子供を守るために父親が嘘をつきとおす姿はとても素敵だけど、あくまでも夢物語なのだろうなと思います。ただ、過去に起きた悲劇を暖かさや優しさも交えながら、二度と繰り返してはいけないんだと訴えるのも、映画のあり方としては大ありだと思いますし、むしろ映画でしかできないことかもしれません。少なくとも日本で観ることのできるイタリアの映画は不自然なくらい主人公に都合よく話が展開していくところがあります。「そんなにうまくいくわけないじゃん」とは思いますが、それを堂々と自分たちの持ち味として最後には観る人を幸せにしてくれるイタリア映画が大好きです。
ライフ・イズ・ビューティフル
私が今までに見てきた映画の中でも好きな映画のTOP3に入る作品です。愛情あふれる家族の物語で、特に父親が命をかけて家族を守る様子が描かれていてラストの方は涙なしには見られません。冒頭から前半にかけては、イタリアの小さな街にやってきたユダヤ系イタリア人のグイドと、ドーラという女性の恋の物語がコメディタッチで進んでいって、イタリア人の笑いのセンスが分かって楽しいです。二人は結婚しジョズエという男の子が産まれて幸せな生活を送っていましたが、ユダヤ人に対する迫害がナチス・ドイツによって始まり、後半のストーリーは前半部分とは一変して暗いものになっていきます。そんな中でも希望と明るさを失わず、息子に優しい嘘をつき続けるグイド。悲しい現実を物語の中では出来るだけ明るく見せた分、逆に最後は余計悲しみが増しますが感動して泣ける映画になっています。ベニーニの早口なイタリア語も面白いのでできれば字幕で見るのが良...この感想を読む