ジキル&ハイドのあらすじ・作品解説
ジキル&ハイドは、1996年に公開されたアメリカ映画である。原作は、ヴァレリー・マーティンの「メアリー・ライリー/ジーキル&ハイドの恋」。監督は、「マイ・ビューティフル・ランドレット」「危険な関係」「グリフターズ/詐欺師たち」のスティーヴン・フリアーズ。脚本は、「危険な関係」「太陽と月に背いて」のクリストファー・ハンプトン。音楽は、「ガンジー」「メンフィス・ベル」のジョージ・フェントン。出演者は、ジュリア・ロバーツ、ジョン・マルコビッチ、マイケル・シーン、ジョージ・コール。 メアリーは、ジキル博士の屋敷で住み込みのメイドとして働いている女性。メアリーは父親に虐待されていた過去があるため、紳士で思いやりがあるジキル博士の屋敷で働けることに喜びを感じていた。ある日、メアリーはジキル博士から、今後は夜間にハイド氏が訪れるようになるから世話をするようにと頼まれる。しかし、ハイド氏は傍若無人な男であったために、メアリーは戸惑いを隠せないのだった。 古典的作品をメイドの視点から描いたホラーである。
ジキル&ハイドの評価
ジキル&ハイドの感想
別の角度から
馴染み深い『ジキル博士とハイド氏』のストーリーをメイド視点で描いた作品。件の小説をもとにした小説『ジーキル&ハイドの恋』を原作としている。他者から見ると多重人格者ジキル博士がどのように見えていたかが垣間見れる面白い作品だ。舞台設定上、19世紀のロンドンの街が再現されているが、その妖しさといい猥雑さといい、雰囲気作りは素晴らしい。ただ、主役であるジキル博士とハイド氏二人のキャストにいまいち魅力が感じられない。それぞれの個性が固まっていないようにすら感じる。ただ、メイドのメアリーは素晴らしく、彼女がどうなるのか興味深く見ることができた。この作品は途中でティム・バートンが監督を務める予定になっていたが、プロデューサーとの衝突により降板している。彼が監督を務めていたら、もっとロンドンの空気は妖しくなっただろうし、主役も魅力的になったのではないかと思うと残念でならない。