欲望という名の電車のあらすじ・作品解説
劇作家テネシー・ウィリアムズによる同名戯曲を映画化した作品。冒頭、主人公が「欲望という名の電車に乗って、墓場という電車に乗換えて、六つ目の角で降りるようにいわれたのだけれど、ここが極楽通りかしら」と話す言葉はその後の彼女の運命を示唆している。 没落したアメリカ南部の名家出身の未亡人ブランチ・デュボアは、妹を頼って貧しいアパートに身を寄せるが、妹の粗暴な夫スタンリーと折りが合わず、嫌悪感を募らせながらも、ミッチとの結婚に望みをかける。しかし、自らの荒んだ過去が露呈し、婚約は解消。さらにスタンリーに暴行されて、ついに精神が崩壊してしまい、精神病院へと送られる。 この悲劇の主人公ブランチはテネシー・ウィリアムズの姉ローズがモデルとされている。2人は不況時代のセントルイスで問題の多い両親のもとで青春時代を過ごす。ローズは十代後半から精神病院へ入退院を繰り返した末、ロボトミー手術を受けて重い後遺症を残す。劇作家として成功したウィリアムズは、姉を私立の高級サナトリウムに移転し、生涯その面倒をみたという。
欲望という名の電車の評価
欲望という名の電車の感想
マーロン・ブランドが見ごたえある
マーロン・ブランドの出世作といわれていますが、確かにこの映画では粗野で無教養な男を演じながらもその男前ぶりに見とれてしまいます。反対に、風とともに去りぬで圧倒的なヒロインを演じたビビアン・リーが精神を病み、あと一押しで崩れ落ちそうな人物を演じていることにも注目です。かつての名家の出身とはいえ、今や落ちぶれてしまった姉妹それぞれの生き方、人間の深層心理に宿る深い闇というものを描くような作品だと思います。登場人物の中で、一番正気を保っているのは、実は主人公ブランチの妹なのではないかという気がしました。一番現実を受け入れたうえで、たくましく生きているように感じるからです。物語は舞台劇としても有名な作品なので、舞台となる「場面」が限られていますが、見ごたえのある映画です。
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