ノスタルジアの評価
ノスタルジアの感想
世界が意味するものはなにか
女のイメージこの映画は主に3人の登場人物で構成されており、ロシア人作家アンドレイとその助手兼通訳の女性エウジェニア、そしてこの二人が旅先で出会った男ドメニコである。男性2人、女性1人でストーリーは進んでいくが、映画の中で女性のイメージがあちこちに散りばめられる。まずは冒頭で訪れた教会で多くの修道女が祈りを捧げるシーンでは女性の存在についての象徴的なセリフがあったり、アンドレが見る故郷の夢にも女性が現れる。またドメニコの住処である廃墟にはどこからか水が溢れ出している。「水」は「女」の象徴とされることからここでも男性二人のシーンだが、なにかしらのメタファーを感じられる。またこれ以外にも温泉のシーンなど「水」は多く多用される。冒頭の修道女やゆるぎない「水」からは「女の強さ」を感じるが、それでいて映画の途中アンドレが自分に何の関心もないことに傷ついたエウジェニアがアンドレの元を去るシーンなどか...この感想を読む
象徴的な映像美によって喚起される、物質的想像力の静謐で豊饒なイメージに満ちあふれた 「ノスタルジア」
ロシアの詩人ゴルチャコフは、通訳の恋人とイタリアの温泉地にフランチェスカの絵画を見に訪れるが、そこで村人から狂人扱いされている一人の隠遁者に出会う。ゴルチャコフは彼に興味を抱き、彼の代わりに蝋燭を灯して温泉を渡る約束をする。隠遁者がローマの広場で焼身を図っている頃、ゴルチャコフは温泉を渡り、そこで息絶えるのだった-------。アンドレイ・タルコフスキー監督の作品は、難解だとよく言われます。この映画「ノスタルジア」にしてもそうだ。確かにこの映画には、有り余るほどの豊饒なイメージがあり、象徴的に解釈されるようなシーンにもこと欠きません。しかし敢えて、そんなことは意味がないと言いたいと思います。この映画で紡がれた映像を、読み解こうとしても、「なぜ火は熱いのか」というような質問に答えるのと同じくらい曖昧な答えしか出てこないのです。「水は流動性の焔である」-----。これは、ドイツ・ロマン派の詩人・思想家...この感想を読む
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