妹の恋人のあらすじ・作品解説
妹の恋人は、ジェレマイア・チェチック監督による米国映画である。 火事で両親を失った兄妹。エイダン・クイン演じる田舎の自動車整備工場で兄は、両親の死後、心を閉ざしているメアリー・スチュアート・マスターソン演じる妹のジューンに振り回される生活を送っていた。そんなある日、ポーカー対決で負けたことがきっかけで友人の従兄弟で盲目の青年を預かることに。兄は、ジョニー・デップ演じる盲目の青年サムを厄介に感じている妹のお世話係を任命する。 盲目の青年サムは心を閉ざしているジューンを笑わせたく、チャップリンなどの映画スターのもの真似を披露した。日に日にサムとジューンは心を通い合わせていくが、サムとジューンが愛し合っていることに気がついた兄は、心の病を抱える妹が恋愛感情を持つわけがないと猛反対をする。 心の病を真っ向から描写するのではなく、チャップリンなどのもの真似の笑いに交えた本作品は偽ることなく愛に真っ正面に向き合った純粋なる映画である。
妹の恋人の評価
妹の恋人の感想
キュートでスタイリッシュなおしゃれ映画
妹の心の病の描写がいまいちこの映画は、両親を亡くし心を病んだ妹、その面倒を見続ける兄のもとに突然現れた風変わりな青年との交流がメインだ。妹の心の病は深く、兄は恋愛どころか仕事にも差し障りが出るくらいだ。それでも兄は時々苛立ちながらも、献身的に妹の世話をしている。この映画の冒頭は、いかにこの妹ジューンの心が病んでいるか、どれほど変わった人間なのかが強調される場面が多く続く。そのどれもが精神病というよりかは芸術家特有のエキセントリックな言動にしか見えず、あまりリアリティがなかった。特に目を離したすきに交差点でゴーグルと卓球のラケットで交通整理をするような様はあまりにキュートすぎる。本当の心の病気の人とは違うという違和感がこの映画中ずっとついてまわった。と言うよりは、それほどシリアスでリアルな描写をこの映画は求めていないのかもしれない。そう思えば、軽く見られるおしゃれ映画ととらえていいと思う...この感想を読む
それ絶対おいしいでしょ。
ハイジの白パンに、ぐりとぐらの卵焼き。物語の中には強烈な印象を残す食べ物のシーンが登場することがしばしばあるものです。この映画の中にも「アイロンチーズトースト」という、食べてみた過ぎるアイテムが登場します。夜中に見たら悶絶しそう。この作品、数々の印象的なシーンがありますが、シーンを色付けしているのは食べ物なんですね。ピーナツ・バター、コーンフレーク、レーズン、タピオカなどなど。それぞれ、登場人物のキャラクターや、彼らの関係性を象徴するキーアイテム的に使われています。(余談ですが、ジョニー・デップの「パンダンス」のシーンはキュンと来ちゃいました。)実は扱っているテーマがすこし重めなんですが、こういった魅力的なアイテムを使ったシーン作りや演出のおかげで、暗くならずにすんでいます。ラストの落とし方も好きでした。結局は他人と100%分かり合うことなんて無理。でも共感できることがなにか1つでもあ...この感想を読む