栞と紙魚子の生首事件の評価
栞と紙魚子の生首事件の感想
奇才・諸星大二郎の入門書「栞と紙魚子」はギャグ漫画
日記のような淡々さ面白い作品に出会うと、何故、どこが面白いのか解析したくなりますが、諸星大二郎先生の作品は、解析不能です。感覚で、「いい」と感じるというしかないものを、無理矢理、解析しようと思います。「栞と紙魚子」のシリーズはを人に勧めた時、「なんで主人公たちが生首拾ってんのに、淡々とした顔してるのか意味がわからない」と言われ、その人が言ってることの方が意味がわからないと思ったことがあります。淡々としたところがいいのに!それで、思ったことは、ホラー漫画の場合、生首をみつけると主人公は「ぎゃー!!」。殺人鬼が近づく時は、何コマもかけて、来るぞ来るぞ・・・「ぎゃー!!」。こういったホラーの演出を取り除いた「栞と紙魚子」はホラー漫画ではなく、ギャグです。たとえますと、栞と紙魚子の日記です。「今日、パスタを食べました。」「今日、生首を拾いました。」それを、「おいおい、それってすごいことじゃないか」...この感想を読む
「栞と紙魚子」天才漫画家の娯楽漫画
天才漫画家・諸星大二郎の娯楽作ある講演会のあとで、小説家の京極夏彦先生と少しばかりお話をさせていただいたことがありました。その時に何故か諸星大二郎先生の話になって、京極先生は諸星先生のことを天才漫画家と評されていたことをよく覚えています。諸星大二郎が天才漫画家として評されるのは手塚賞受賞作の「生物都市」や、「孔子暗黒伝」「暗黒神話」などの伝説的作品群があるからですが、本作「栞と紙魚子」のシリーズはその種の作品と同じような身構え方をすると拍子抜けをすることになります。このシリーズは諸星色を前面に出しながらも、万人が手に取ることができる娯楽作品だったのです。高校生の栞と紙魚子の二人がダブル主人公というキャッチ―さ。ドラマ化したのも頷ける一般性を持っていますね。女子高生二人と怪異の組み合わせというと、漫画やラノベ、書き下ろし文庫小説などでも似たような設定の物語はたくさんありますが、それでも「...この感想を読む