ミスミソウのあらすじ・作品解説
ミスミソウはぶんか社ホラーMにて連載された押切蓮介の漫画である。全３巻、完全版２巻。 東京の中学校から田舎へ引っ越してきた主人公、野崎春花はいじめられていた。心優しく、心配をかけてはいけないと誰にも言わず、自分一人で問題を抱え込んでいたが、密かに相馬晄に想いを寄せ、また明るく接してくれるその存在に助けられながらも卒業を待っていた。耐え続けていても、いじめは無くなるどころかひどくなる一方だった。そんなある日、大切な妹の野崎祥子はいじめに巻き込まれ、家を放火された時に重傷を負うことになる。その事件真相を知ったことがきっかけで春花は自分の命をかけて犯人たちに復習を行う。 花を撮ることが好きな一見心優しい相馬はにも、実は隠された秘密があり、その秘密を知った時春花は……。 異常なクラスメイト、先生や大人に囲まれ、残酷ないじめに手段を選ばない春花はしあわせになれるのだろうか。 精神的な人間の恐怖を描いたサイコホラー作品である。
ミスミソウの評価
ミスミソウの感想
恐ろしすぎるホラー漫画
壮絶なホラーの幕開けまずこの絵！なんでこんなに美しくないんでしょう。そう思ってました。だけど…もうね、この漫画はこの絵でなければこれほどまでに怖さは際立たなかったと思うんですよ。物語はすでにいじめの真っただ中に春花がいるところから始まっていきます。妙子を中心として巻き起こる、あまりにも悲惨ないじめ。卒業間際に東京からド田舎へやってきたよそ者の春花に対するいじめ。よそ者だから出ていってくださいなんてそんなくだらないことでこれほどまでにひどいいじめを始めたの？って思いました。しかし、読み進めていくと、いじめをしている側にもスポットがあたり、事情が明らかになっていきます。決して許されるものじゃない。だけど、1人1人を見てみれば、こんなにも切ない気持ちになるのはなぜなのでしょうか…この物語で一番ひどいところは、春花自身に対してだけではなく、その家族、大切なものすべてを壊すところでしょう。「精神崩...この感想を読む
betrayer
グロいいじめとその復讐劇に絶句する
人の狂気はこんなに恐ろしい壮絶なホラーである。もうそれだけしか言うことがない。とにかく悲しい気持ちになって終わるのがこの物語。衝撃的であった。絵が下手だなー…って思っていたけど、この絵じゃなければこんなに怖さが際立たなかったと気づく。すでにいじめの渦中にあった春花。卒業まであと少しだったが、東京から田舎へ引っ越してきた彼女は、田舎者たちの様々な感情の標的にされ、悲惨ないじめを受けることになる。いじめをしている側が抱えるもの、傍観している人が抱えるもの、いじめられる側が抱えるもの…絶対に許されないことなのに、切なくて胸がぐーっと痛む。そんな余韻を残すホラーだ。いじめを止めてくれる人が誰もいなくて、教師でさえいじめのトラウマに囚われたままの大人だったため、いじめはどんどんエスカレートしていった。ついには、春花自身ではなく、その家族にまで手をかけることになる。廃校寸前の中学校の最後の卒業生た...この感想を読む
kiokuto
女子中学生の残酷な復讐劇
田舎町のいじめシーンはとても辛辣でした。幼いがために自分の残酷さに気づいていないのか・・・。自分たちとは違う他者を排除しようとする田舎の町の人々の様子が現代にも通じるのではないかとも思います。さらに、いじめられていた主人公が家族まで奪われ、いじめっこにしかけた復讐がとても残酷で中学生とは思えません。主人公は家族思いで、優しく、なんの非もない少女であるのにもかかわらず、それが同級生の妬みの対象となり、いじめの対象にされるという不条理さが切ないです。リアルさのある絵ではないのですが、残酷なシーンは気味悪さを感じます。追い詰められた登場人物の表情も鬼気迫るものがあります。また、いじめっこである女子や、いじめに加わるクラスメート、主人公に好意を向ける男子など、主人公でないキャラの家庭環境がとても複雑で設定が細やか。それぞれがそれぞれに対する好意や憧れの向け方を誤って、もつれていく様子がドロドロ...この感想を読む
にょろ
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