僕の初恋をキミに捧ぐの感想一覧
漫画「僕の初恋をキミに捧ぐ」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
どこにも気持ちの行き場がない苦しみの漫画
残酷な運命を前に正直にはなれないとにかく、この漫画は悲しさばかり。嬉しさは本当に少なくて、それがちょっと出てきただけで感動はするんだけど、トータルで苦しさが勝ってしまう。そんな物語である。逞には病気がある。重い心臓病で、小さなころから入退院を繰り返してきた。入院していても、主治医の娘である繭がそばにいてくれて、いつも遊んでくれた。病気は治るって先生は言っていたし、がんばってお注射も我慢して、病気を治して繭と結婚したい。それだけを願っていた。こういう病気が絡んだ漫画は本当にやりきれないというか、誰のせいにもできないものだと思う。本来は。だけど、この作品の中では、逞が20歳まで生きることはできないということを、安易に伝えてしまった修学旅行先の医者、そして主治医でありながら、簡単に嘘をついてしまった医者、逞への申し訳なさ・自分たちの失敗であるかのように感じてしまった両親たちなど、たくさんの人の...この感想を読む
感動する涙じゃなくただただつらい涙が出る物語
逞の気持ち逞には重い心臓病がある。それでも子どもの頃は、大好きな繭とずっと一緒にいられると信じて疑わなかった。退院して、大人になって、繭と結婚する。子どもながらに約束して、それはきっと叶うと思ってた…この物語、本当に涙が出ます。苦しく、そして重いお話です。ただ、最後にきっと希望があると信じて最後まで読み進めましたね。逞が20歳まで生きられない。それを知ってしまったときの知り方が本当に残酷だった。もちろんね、いいお医者さんだっているんだよ。だけど、あんな言い方ってありえます?医療の世界では死も常に隣り合わせ。感覚の麻痺した医療人ってたくさんいます。宣告されているかどうかってちゃんと確認しろよ…!!漫画だから許されるのかもしれないけど、リアルだったら大問題です…。まだ12歳だよ?僕は死ぬんだ。だから、繭が泣かないように離れたい。そうして全寮制の中学校へ受験することを決めた逞。両親にとってすれば...この感想を読む
タクマ…
2巻でタクマは、自分自身が病気が原因で20歳まで生きる事が出来ないという事実を、お医者さんによって予想外の状況で知ってしまいます。このお医者さんがかなり空気が読めないというか、心無い人で、これはかわいそうでした。タクマはその事でとても悩み、悩んだ結果、繭から離れようと、全寮制の名門校を受験します。でも、繭も同じ高校を、タクマを追いかけて受験するんです。 そして入学式、タクマは金髪ピアスで登校します。そして、繭のことがすきだからこそ、長く生きられない自分から繭を遠ざけるために、繭にそっけなくしたり、冷たくあたる・・・というのが今回の内容でした。このマンガも映画になりましたが、個人的にこの配役はとてもすきでした。
セリフ
いつも「僕の初恋をキミに捧ぐ」を読むときに思うのですが、この漫画の表紙に書いてあるセリフは胸にグッとくる内容ですよね。毎回表紙のセリフを読むのも楽しみにしています。今回の巻のセリフはいつもと違って、少しさみしさの感じるものだと思いました。まさしくタクマの今の状況を表しているように思えますね。そして、漫画の中身では、タクマが繭へ傍にいてほしくないと言ってしまいましたね。これはタクマは良くなかったと思います。病気のことがあり悩んでいたということは分かりますが、こんな風にして繭を傷つけるのはいけないですよね。ここは残念だと思いました。難しい問題ですよね。