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炎尾燃
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燃えよペンは島本和彦による日本の漫画作品。全1巻が発売されている。「すべてのマンガ家がこうだと思っていただきたい!」と語る熱血漫画家炎尾燃の漫画家生活を誇張を交えつつもギャグタッチかつ熱く暑く描いている。 炎尾燃は数多くの連載を抱える人気漫画家、しかし人気漫画家だけに連載の依頼を断ることができずに多くのアシスタント共に毎日命を削るような執筆を行っている。その中での編集者との打ち合わせ風景やアシスタントのやりとり、またライバル漫画家との丁々発止の駆け引き、など決してフィクションではないがノンフィクションでもない作風で漫画家という職業の人間の生き様を描いている。 また島本和彦自身をモデルにしているだけあって彼の漫画作品「炎の転校生」を元にした「嵐の転校生」がアニメ化される際のアニメ監督とのやりとりも漫画として収録。漫画家のプライドを掛けてのアニメ監督とののっぴきならないやりとりとその激突の後に生まれる友情などを余す事なく物語に落としこんでいる。
本作が生まれた背景1991年刊行された本作で島本和彦は長年にわたって自らの糧となるキャラクター「炎尾燃」を生み出した。同時期に執筆していた「逆境ナイン」で打ち立てた「暑苦しいほど何かに燃えており、勢いがある男」をそのままに引き継いだ主人公と言える。キャラクター的には「逆境ナイン」の不屈闘志とサカキバラを足して島本自身の経験値を加えた結晶とも言えそうだ。初期の代表作「炎の転校生」「風の戦士ダン」終了後2年ほど長期連載に至ることなく微妙な作品を発表していた中で、おそらく作風に迷いがあったのではないかと思われる。スポーツもの、戦記物などを書くも人気は今ひとつ、そういう時「逆境ナイン」で生み出した作風に活路を見出したのだろう。その後もアニメ系やゲーム系の作品も書いているがさほどパッとせず、炎尾燃を出せば何とかなる、という勝ちパターンを確立している。正直なところ漫画家としての島本和彦は逆境ナイン...この感想を読む
炎尾燃
過密なスケジュールに追い込まれて絶望的ながも、まずは描くのだ、というシーン。