ゴッドチャイルドのあらすじ・作品解説
ゴッドチャイルドとは、花とゆめ、別冊花とゆめに掲載され、単行本は全8巻で完結している由紀香織里の漫画。 舞台は中世イギリスのロンドン、幼い頃に父を亡くし若くして伯爵家を継いだ主人公カイン、毒薬を収集する変わった趣味を持っているため「毒の伯爵」と呼ばれていた。彼に幼い頃からつき従う執事リフ、異母妹のマリーウェザーは、ある組織に加担する義理の兄イザベルとの再会をきっかけにカインの過去に繋がっていく事件に巻き込まれていく物語。マザーグースや聖書をモチーフとした言葉が随所に使われている。 この漫画は、全部で5部作からなるひとつの物語として描かれ、他のタイトルの作品との間に繋がりがあり、総称として「伯爵カインシリーズ」と呼ばれている。この初期作品にあたる漫画は、後に「伯爵カインコレクション」として再収録され、少年の孵化する音完全版、赤い羊の刻印完全版として発売、文庫版は全6巻まで刊行、ドラマCD化もされている。
ゴッドチャイルドの評価
ゴッドチャイルドの感想
華麗なる伯爵の最期
ゴシックロリータ的世界観由貴香織里が得意とするエッセンスをふんだんに詰め込んだ、伯爵カインシリーズ。本作はシリーズ最後の物語だ。『ゴッドチャイルド』が以前の物語と違う点は、思い切りゴスロリ趣味に振りきれたことと、オカルト要素が濃くなったことだろう。伯爵カインシリーズの古い作品では、ドレスはフリフリでありつつもまだどこかイギリス風の古めかしいデザインであったが、今作ではいわゆるゴシックロリータファッションになっている。これが連載されていた当時、まさに世はゴスロリ全盛期。この漫画の連載は2001年に始まり、嶽本野ばら著『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』が発売されたのが2002年のことだった。ゴスロリ&パンクファッションムック『KERAマニアックス』に由貴香織里のインタビューが掲載されたこともあり、ゴスロリファッション好きな女の子からの支持が集まったのだろうと推測される。マリーウェザーは白ロリ...この感想を読む
マザーグースを知ったきっかけの作品です。
ワガママおぼっちゃまの美しいお話です。とにかく絵が怪しくてきれいです!19世紀後半、ヴィクトリア時代のイギリスを舞台に、主人公のワガママおぼっちゃまカイン、彼の忠実なる執事であるリフ、カインの異母妹マリーウェザーを中心に、童話やマザーグースをベースにした物語が展開していきます。カインは貴婦人たちがため息をつくほどの美少年、彼の信頼する執事、リフとの距離感がまたたまりません!マリーウェザーはとにかく可愛らしくて、カインが溺愛してしまうのも納得できます。一つひとつの物語が魅力的です。カインの周りではいつも怪しげで美しい事件が溢れています。カインは父親に虐げられていた悲しい過去を持っていますが、リフやマリーウェザー、マリーウェザーに求婚しに足しげく訪ねてくるオスカーなど、温かい人々に囲まれながら暮らしています。自身の過去や、最大の脅威である父親と対峙し、ときには誘拐され、ときには大怪我をし、と...この感想を読む
毒の伯爵・カインとそれを取り成す周囲の物語。
伯爵カインシリーズの5番目です。美少年の毒の伯爵カインは若くして、ハーグリーヴス家の当主。毒薬の収集が好きなカインには常に怪事件がまとわりついています。カインの傍には優秀な執事・リフと養女の妹・マリー…そしてマリーに求婚しているカインの友人・オスカーがいます。この巻では、早速もカインが怪事件に巻き込まれるのですが、相変わらず饒舌で毒を使用するのもお手の物でした。死んだと思っていた父は生きているかもしれない、そう思ったのは父の養ない子でカインを憎んでいるドクター・ジザベルが現れたからです。何か目的があってそこに現れたのかは定かではないですが、ジザベルの登場によって事態が動いていく気がしました。
ゴッドチャイルドの登場キャラクター
カイン・C・ハーグリーヴス
年齢(作品時):17歳 性別:男 趣味:毒薬収集 特技:射撃 出身地:コーンウォール 出身:貴族 外見:黒髪、金色がかった緑色の目 ミドルネーム:クリストファー 出生:表向きはアレクシスとその妻レノラの息子だが、実はアレクシスと実姉オーガスタの息子 現住所:ロンドン市内メイフェア