七色いんこのあらすじ・作品解説
「七色いんこ」は1981年から1982年にかけて週刊少年チャンピオンで連載された、手塚治虫の漫画である。内容は、主役であるほぼ素人の舞台俳優「いんこ」が、一流の変装技術と多彩な声色を使い分け、名作の演劇を見事に演じきり観客を魅了する。話毎に演劇の題目が変わり、読者は世界の名作演劇の概要を楽しむことが出来る。その一方で、泥棒としての裏の一面を持ち、裕福な観客から宝石などの金品を奪い取るという犯罪も行う。そのため、この犯罪に対峙する警察との攻防が見所の一つになっている。 但し、警察側で主にいんこを担当するのが女刑事「千里万里子(せんりまりこ)」で、彼女が彼を追ううちに恋い焦がれていってしまう、という可愛らしい一面があったり、鳥アレルギー持ちでいんこが飼う鳥のいんこに合うと蕁麻疹が出たりと、コミカルな掛け合いになっているのも魅力である。 手塚治虫作品の中でも人気が高いものの一つであり、2000年には舞台化もされている。
七色いんこの評価
七色いんこの感想
演劇版ブラックジャックか
代役専門の俳優と、モグリの医者この作品「七色いんこ」は、天才的な俳優でありながらも代役専門で、しかもその劇場でドロボウを働くというとんでもない役者が主人公である。その圧倒的な演技力で観客をひきつけながら一方でドロボウを働くというどこかハードボイルド的な設定は、手塚治虫の代表作「ブラックジャック」を彷彿とさせる。ブラック・ジャックもその人並みはずれた外科技術を駆使し、誰もが匙を投げた重度の患者を治してしまう。しかしその報酬は桁外れのものを要求し、それができるのも彼がモグリの医者だからだ。モグリの医者と代役専門の俳優。なんとなく共通点があるように感じられる。また物語の展開もどことなく「ブラック・ジャック」と似ている。ブラック・ジャックは患者の病気を治すだけでなく、家族や会社がらみのいざこざさえも解決してしまったりすることもある。「七色いんこ」も主人公の七色いんこが代役の俳優として仕事はこな...この感想を読む
七色いんこの登場キャラクター
千里万里子
よみがな:せんり まりこ ニックネーム:高校時代は関東女番長連合の中ボス「スケバン千里」として名を馳せていて、他校の男番長の肋骨を3本折ったこともあるらしい。 年齢(作品時):19歳2ヶ月 性別:女性 所属:刑事。捜査二課、詐欺・知能犯担当。 特徴:腕っ節は非常に強く、女性警官としても射撃大会などで成...
七色いんこ
よみがな:なないろいんこ 所属:老若男女どんな役でもこなす、代役専門の舞台俳優。 特徴:演技をしていない時は青みがかった緑色のおかっぱのカツラとサングラスで変装しているが、これはカツラの裏に変装道具を隠しているためである。 物語上での目的:本業は泥棒。舞台に立つ際には出演料を貰わない代わりに、...