グスコーブドリの伝記のあらすじ・作品解説
グスコーブドリの伝記は、日本の童話作家、宮沢賢治が1932年に児童文学にて発表した作品。漫画化もされており、1994年には宮沢賢治没後60周年を記念して映画化された作品である。 この物語は、主人公ブドリの生涯を描いた作品であり、ブドリは幼いころに飢饉に襲われ、そのせいで妹と別離してしまう。その後、工場や畑で働き、最後には火山技師見習いの職に就く。この職には大きな適性があったらしく、新技術を発見する等の大きな功績を残し、皆から英雄視され、偶然から、彼の妹とも再び出会うことに成功して幸せな生活を送る事が出来たのだが、彼は物語の最後で、多くの人間を助けるために、自らの命をなげうってしまうという悲しい物語である。この物語は、作者である宮沢賢治が実際に経験した事が物語の設定として登場しており、作者の生活を知ると、この作品に込められた作者の思いをより一層感じる事が出来るので、この世界をさらに楽しめる作品である。
グスコーブドリの伝記の評価
グスコーブドリの伝記の感想
自己犠牲の精神
このお話を観ると、宮沢賢治という人はとても純粋で繊細な人だったのかなあと思います。 キャラクターは人間ではなく猫って感じですが、話自体はとても重くて子ども向けではないと思います。 原作とは少し違っていますが、ポイントは押さえてあります。 両親は貧困のために自殺し、妹は人買いに連れ去られ、ブドリはその妹を助けるために旅にでます。 今でこそないですが、昔は日本も飢餓で死んでしまう人がたくさんいたのだなあと何だか胸がギュッとします。 最終的に、ブドリの優秀さをかわれ、火山の研究者になるわけですが、最後は人類を助けるために、自らが火山の犠牲になります。 あんなに若くして、人のためにいつも生きていたブドリの生き方に、私自身のことも見つめなおすことができた気がします。 人のために死ぬことはできなくても、人の役に立つことが本当の人としての幸せなのだとブドリは教えてくれたのだと思います。