怪童丸のあらすじ・作品解説
「怪童丸」は2001年にSMEビジュアルワークスによって製作されたオリジナルビデオアニメーション作品である。 舞台は平安の乱世、相模国足柄に住む少女・怪童丸は家督争いに巻き込まれて命を狙われていた。追っ手から命からがら逃れた山中で源頼光に出会い窮地を救われ、頼光は身寄りのなくなった少女を引き取り保護することとなった。2人は正体を隠し都へ戻り、5年ののち頼光は都を守護する武将として名を上げるようになる。そして少女も坂田金時と名乗り鎧に身を隠し、戦場に赴いては武勲をあげ次第に”兵部四天王”のうちの1人に名を連ねるようになる。ある日、金時は都を襲う荊木童子とそれに同行する桜舟姫と対峙する。桜舟姫は金時の従姉であり、金時に対し歪んだ愛情を抱きあやかしの力を借りて金時を連れ去ってしまう。それを知った頼光は金時を救うため1人で桜舟姫を追うのであった。 監督はProductionI.Gに所属していた若林漢二、全編は46分の作品である。
怪童丸の評価
怪童丸の感想
怪童丸の奪い合い
作画の配色が特徴的源平合戦をモチーフとした物語です。昔話をイメージさせるように、映像の配色を意図的に薄くしているのではないでしょうか。薄いというより、白いイメージをもちます。白いというのが分かりやすい表現なのかもしれませんが、別の言い方をすれば、「淡い」という表現ができるのだと思います。「淡さ」を強調するため、意図的に薄い配色をしていたのだと予想しています。そして、幼少のイメージをもつ主人公、怪童丸の恋心も淡いものを感じなかったのでしょうか。そして、 怪童丸に向けられた頼光の愛情も、淡いものなのではないでしょうか。相思相愛とはいえ、その対象はどうしても子供です。怪童丸が成長していれば、結ばれる展開もあると思うのですが、あまりにも怪童丸が幼すぎると思われます。禁忌であり、結ばれてはならない関係性が、頼光の愛情に淡さを感じさせます。そして、物語の結末としては、頼光は命を落としてしまい、 怪童...この感想を読む