第3のギデオンの評価
第3のギデオンの感想
フランス革命の陰にあったかもしれないリアリティ
なかなかに練られた相関図いきなりエロ本を描きながら生計を立てているギデオンが登場。貧しい平民が議会でのし上がり、革命の一端をなす物語なのか。ところが、これまたすごい裏切りと策略の連続になっていて、厚みがあるんですよね。エロ本ってただのエロ本ではなくて、貴族・国王家族の風刺になっているらしかったし、演説しながら民衆に支持を得ようとがんばる姿も、爽やかさの中に闘志がみなぎっている感じ・ただの平民とは違う強さみたいなものがよく表現されていたように思います。ジョルジュとギデオンの関係性はもちろんのこと、アルトワ伯やマリー、ルイ16世たちの関係性、考えていること、民衆の考えること、そして貴族の考えること…みんなどこかが正しくて、どこかが間違っているような気がしてならない。双方に相容れない立場であり、対立しているからこそその状況を飲み込んで生きていられるような気もするのが悲しいです。まさに昨日の敵は...この感想を読む
革命家にもいろいろな種類の人間がいる
歴史モノっておもしろいフランス革命に至るまでの、革命家たちやそれに関わった人たちの物語を描くフィクション。ストーリー展開はとても緻密で、ノンフィクションでもこんな感じの話がありそうなくらい。革命が起こったという事実は知っていても、その時どうやって革命を起こしたのか、人を集めた方法や革命を起こそうと決意するまでの苦悩など、細かく描いてくれているから共感値も増す。革命を起こそうっていう人たちの活動の根っこを見れる漫画だ。革命は偉大な功績だったかどうか。それは今になってみればわかるが、当時はそんな振り返りなんてできないくらい、相当な労力と時間、お金、命を費やしたことだろう。その始まりがギデオンのエロ本とはなかなか思いつかない。どうしようもない男なのかと思いきや、エロ本に貴族・国王の風刺を描き、民衆に「何かがおかしいと思わないか?」と言葉を伝えていたのである。一方のジョルジュは、言葉ではなく暴...この感想を読む