ぼくは勉強ができないの評価
ぼくは勉強ができないについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
ぼくは勉強ができないの感想
ぐっとくるセリフが満載です。
主人公の自意識私はこの主人公が好きですが、そもそも山田詠美さんの作品はすべての主人公においてこれは山田詠美さん自身なのでは、と思うような一貫した存在があるように思えます。非常に個人的な感覚なのかもしれませんが、主人公には一貫して「自分は特別なのだ」という意識があると感じます。この作品の主人公である時田秀美も、「ぼくはきみたちの考えていることが読めているけれども、それを優しく包み込んで、相手にはそれを気づかせないように相手の望むとおりに振る舞ってあげている」といった自意識をすごく感じるのです。主人公は実際にはそんなことを言っていないのにも関わらず、物語からにじみ出ているのがすごく面白いなと感じました。小説内で山野さんに「優越感を一杯抱えているくせに、ぼんやりしている振りをしている」とはっきりと指摘されているのも、痛快な点です。ただ同時に「自分も皆と同じなんだ。母子家庭だけど、楽しくやって...この感想を読む