蹴りたい背中の評価
蹴りたい背中についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
蹴りたい背中の感想
自分の殻を破る、青春小説
19歳の綿矢りさ。小説が好きな方なら知らない人はいないでしょう。世間が湧きましたね。昨年の芥川賞である「火花」が売り上げ最多記録を余裕で抜きましたが、文藝春秋の売り上げ最多記録はこの「蹴りたい背中」と「蛇にピアス」が載った号が未だに歴代一位を獲得しています。綿矢りさ先生が19歳、金原ひとみ先生は20歳。現代小説の新しいステージが始まったと多くの大御所作家たち、または書評家の方が口にしています。それだけセンセーショナルで、歴史ある小説の世界で一つの目印をつけた作品がこの「蹴りたい背中」です。19歳とまだ大人へ踏み込む前だからこそ作ることのできた小説だと私は思います。垢にまみれず、若者だからこそ見える世界での、大人にはわからない感情、感覚、感性。全てが揃っていると思います。蹴りたい、けど、蹴る資格がない。クラスのあぶれ者である主人公は、1人でも平気よ、と髪をなびかせ、悠々と学生生活を送っていました。...この感想を読む