西部戦線異状なしの評価
西部戦線異状なしの感想
戦争という異常な日常
西部戦線という言葉からもわかるように、戦争の話です。登場人物には読んでいるうちに感情移入をしたり、親しみを感じたりします。なのでこの青年が無事に家に戻れる日をやはり望みつつ読み進めるのでした。命は尊いもの。人間ばかりでなく、例えば海岸に打ち上げられてしまったイルカや鯨を海にかえしたり、自力では動けなくなっている動物を保護したりする行為は、美徳としてニュースになったりもします。なのに戦争になると、平気で人が人を殺す。その矛盾に納得できる日は来ないでしょう。「西部戦線異状なし」この報告が上がるその日も、多くの命が失われています。しかしそれは異常とはとらえられていません。異常が日常になること、それが戦争なのだということを改めて思いました。