そこに僕はいたの評価
そこに僕はいたの感想
ミュージシャンらしい
辻仁成の青春を描いていく物語です。函館出身の作者らしく、静かで物思いに耽る風変わりな少年期を送っていきます。そして、そんな風変わりで内向的な少年がロックに出会ってバンドを始める、キラキラした青春。美しい青春像を、ミュージシャンらしく多少耽美的に美しく描いています。人には誰にでも思い返す思い出というものがあるのですが、この作品を読んでいると、自分の思い出の中の友人の顔や、色々な思い出のシーンがフラッシュバックされていきます。また、作家辻仁成の人生観などもよりわかりやすく読み取ることが出来、読みやすい作品なので辻仁成未読の人にもオススメ出来る作品のひとつです。