愛がなくても喰ってゆけます。のあらすじ・作品解説
「愛がなくても喰ってゆけます。」は、よしながふみによる日本の漫画作品である。 2003年3月~2005年3月に「マンガ・エロティクス・エフ」に連載されており、単行本が2005年4月16日に発売された。 外食にまつわるエッセイ風のストーリーであり、作者自身を投影していると思われる31歳漫画家の主人公「YながFみ」が都内にあるお店を紹介してくれる話である。「仕事するときと寝てるとき以外はほぼ四六時中食い物のことを考えて生きている。仕事によっては仕事中でも食い物のことを考えている」という主人公だけあって、食へ対する熱意や欲望は人一倍。 本作に出てくるお店はすべて都内に実在しており、多少足を運んでもおいしいものが食べたい人におすすめの一冊。 食事の紹介文も随所に書かれているのが特徴で、和・洋・中種類問わず料理が取り上げられている。 なお本作で紹介されたお店をすべて制覇する読者もいるなど、ひそかに人気を集めている。
愛がなくても喰ってゆけます。の評価
愛がなくても喰ってゆけます。の感想
欲張りなグルメ・エッセイ漫画
よしながふみが自身とおぼしき主人公「YながFみ」を「食に対しての情熱だけで生きている漫画家」として描き、その周囲の人間との関係および主演を題材とした、エッセイマンガとグルメ漫画を低めのリンボーダンスで融合させたような怪作。取り上げられた巷の飲食店では、自分の店の登場シーンのコピーを店頭にかかげるという現象が起きているようだが、かような作品のためそのコピーは華やかさのほとんどない、書かれたひとがぐだぐだ言ってるページが続いていたりして、この漫画の情熱の暗さ加減が見てとれる現象だなあと思ってしまうことしきりである。ただしデータにはだいぶ信憑性があり、書かれたメニューへの感想、内容に関しては雑誌のルポなみに忠実である。登場した飲食店を食べ歩く「巡礼」のごとき現象も起きている、なんというかいろんな意味で罪深いエッセイ漫画です。