監督不行届のあらすじ・作品解説
監督不行届は、安野モヨコの漫画。フィールヤングにて連載が開始され、2014年にはアニメ化にもなった。アニメはDVDBOXになり、2014年11月に発売された。 ストーリーは安野モヨコとエヴァンゲリオンの監督である庵野秀明の夫婦生活を描いたもので、ジャンルはエッセイにあたる。作中にはアニメ、特撮、漫画などの用語が頻繁に登場し、その用語の説明も記述されることが多い。ケースによっては時代背景、当時のグッズなども説明されている。このスタイルはアニメ版でも同様で、アニメ版公式サイトでは用語説明のページが設けられている。 作中では安野モヨコはロンパース、庵野秀明はカントクくんとなっており、日常風景が描かれることも多いが、その日常は一般的には非日常にあたることもある。 この他、自主制作映画についてであったり、カントクくんがウルトラマンになった話など、安野モヨコよりも庵野秀明の方をピックアップして描くことも多い。
監督不行届の評価
監督不行届の感想
庵野家をコミカルに描いた傑作
安野モヨコの内助の功言わずもがな「新世紀エヴァンゲリオン」の監督である庵野秀明と、マンガ家安野モヨコ夫婦の日常を描いたコメディマンガである。事実に基づいて描かれた実録漫画ではあるが、作者はあくまでフィクションであるという姿勢で発表しているようだ。日本の中でも五指に入るオタク、庵野秀明だが、一見すると偏屈で厳しいおじさんという印象。そんな世間のイメージをくるっとひっくり返したのがこの作品ではないだろうか。一般的にアニメを作っている人のイメージは、裏方ということもありあまり良いものではなく、表に出てこないことが多いことから事務的なイメージを抱きがちだ。さらにあのエヴァを作った人、ということになると、よほど哲学的な日常生活を送っているのだろう、と予想する人もいただろうが、それが見事に打ち砕かれた印象を覚えた。このコミックスのおかげで「カントクくん」という可愛らしいイメージが定着し、中には「あ...この感想を読む
見た目二等身だけど内面はオトナなふたりの物語
アンノさんとアンノさんの結婚生活を綴られた本作。漫画家の結婚エッセイのなかでダントツに好きな作品です。見た目あきらかに「ヒグマ」なアンノ(♂)さんが、ロンパースなヨメアンノ(♀)さんにいじわるされてヨヨヨ…となっているところなど、もうかわいすぎてたまりません。楽しく読めるよう構成されてはいますが、「夫婦の食事の嗜好の違い」「綺麗好きとそうでない人の相克」など、夫婦間の永遠のテーマともいえるべき問題がハッキリとネタになっていて、そこがとてもリアリティをもって描かれているところに、ヨメの漫画家魂を感じました。そしてふんだんに盛り込まれたオタネタも…。お互いが「違」っていて、その違いを把握しつつ尊重し合っている、そんな風に見えるから、意見が完全一致してなくても、なにか幸せそうに見えてしまうのでしょう。絵柄は二等身ですが内面はオトナなふたりの物語だと思います。