文学部唯野教授の評価
文学部唯野教授の感想
文学理論の参考書にもなる
小説を書いている大学教授という設定の主人公が、大学内の上下関係と友人、生徒やその他を巻き込んで大学内政治と文学の両方が主題となります。圧巻なのは主人公が授業内で説明する文学理論のまとめです。これは元ネタとなる文学理論を上手く咀嚼し、わかりやすく説明しています。幅広く有名どころの文学理論を押さえているため、これは文学者にとって参考書のような役割を果たしたこともあったそうです。これだけなら文学理論の紹介書としてだけの本となってしまうかもしれませんが、そこはやはり手練の著者です。大学内の人間関係などもまとめて風刺とドタバタ喜劇に仕上げたりと、笑いながら文学理論の知識もつく一冊となっています。