氷川清話の評価
氷川清話についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
氷川清話の感想
海舟談話、痛快無比の「氷川清話」
海舟談話、痛快無比の「氷川清話」勝海舟の晩年は、殆どの時期を赤坂・氷川の地で過ごし、各種の著作物を著しています。「氷川清話」は、海舟が実際にあって話を交わし、人物に触れ、感に触った人物を談話集として著した著物です。その人物や人生について、それに当然ながらその人物の政治感などついてなど、種々なことについて語っているのです。これが実に面白く、痛快無比なんです。 何故かと言うと、彼の文法は、所謂、語り口、生まれ育った江戸弁で語るように著しているのです。勿論、一番弟子といいわれる竜馬のことは愛情溢れる言葉文体であるが、時に厳しくも見ています。龍馬が西郷を評するに“小さく叩けば小さく響き、大きく叩けば大きく響く、馬鹿なら大馬鹿で、利口なら大利口”としているが、その海舟が龍馬のことを“竜が西郷に及ばないのは、その大いなる胆識と大きな誠意にある”と喝破しているのである。あの戊辰の役で江戸城総攻撃の前...この感想を読む