大人になって読むと現代への問題提起が見え隠れしています - 窓ぎわのトットちゃんの感想

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窓ぎわのトットちゃん

4.724.72
文章力
4.63
ストーリー
4.56
キャラクター
4.69
設定
4.69
演出
4.63
感想数
9
読んだ人
60

大人になって読むと現代への問題提起が見え隠れしています

4.04.0
文章力
4.0
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
4.0

ご存知黒柳徹子さんの幼少期をつづった物語です。とっとちゃんと呼ばれた彼女は、自由奔放で既存の教育の枠に当てはまらず、自由な校風の学校でのびのびと育てられていく。その辺りは、大人のエゴが色濃く見える現代のお受験事情はどうなのかなと考えさせられたりします。子どもが本当にその子らしく育つためを考えてのお受験ならよいのですが・・・さてどうでしょう? また、何気ない日常の描写の中にも、貧しかった時代の日本では、貧しくて苦しんでいる子どもたちにさりげなく手を差し伸べる大人がいた。不景気とはいえ、とっとちゃんの頃とは比べ物にならないくらい裕福な現代、子どものことを真剣に見守る大人はどれだけいるでしょうか? 親だけではなく、先生、近所のおじちゃん・おばちゃんが見ていたからこそ、苦しい時、親も子どももSOSをだせたのかもしれない。子どもの頃読んだ時は、なんだか楽しそうな学校でいいなという程度のイメージだったけれど、大人になって読んでみると、いろいろ考えさせられました。

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他のレビュアーの感想・評価

君は、ほんとうは、いい子なんだよ。

黒柳徹子さんが通ったトモエ学園。園長の小林先生の言葉が胸を打ちます。発想や視点が違うためにいわゆる「問題児」として小学校を退学になったトットちゃん。そのトットちゃんをあたたかく迎え、トットちゃんを学校大好きっ子にしたのがトモエ学園です。今でいうところの、フリースクールに近い形態でしょうか。その教育法は、親である私から見ると思い切ったもので、でもとても楽しそう。可能ならばわが子たちを通わせてみたかったですね。君は、ほんとうは、いい子なんだよ。裏を返せば、いい子でない部分が外に出てしまっているようにも取れますが、小林先生の意図はそこではなかったはずで、純粋にそれを捉えたとっとちゃんはこの言葉に大いに自信をつけられます。時代は戦争に向かい、悲しい場面も多くなっていきますが・・・愛情と個性あふれた学校とあたたかい家族の理解が素敵です。この感想を読む

5.05.0
  • 本の虫本の虫
  • 260view
  • 368文字

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