破綻と繋がり
一部では有名な、PCゲームの文庫版です。 ゲームには、音が入っているので、宛ら作品の舞台に立って居るような臨場感も味わいやすいのですが 小説から入った人は、あの独特な世界観を、どう感じるのでしょうか。 一作目から順番に進めて(ゲームも読書も)きた人には、初出の内容が描かれています。 惨殺事件の起こる、一年前から続くお話。 双子のお話。 個人的に、好きな話です。 とてもとても、切ないですが。 詩音が沙都子に叱咤するシーンは、身につまされる思いがします。 沙都子と同じ境遇でなくとも、言葉通りに受け取らずとも 心に刺さる読者も少なくないのでは? 皆皆、純粋に、誰かを想って、必死に生きている様が 他人事のようで、生生しい。 ひぐらしシリーズ独特の恐怖に、幼さが垣間見える恋心が加わって 最後はやはり、期待を裏切ってくれないサスペンス。 このシリーズは、出題編、解答編と交差して 大きな一つの物語が完成されていきますが 途中から読んでも、すっと入っていける、文章と構成になっていて いつでも本を開くと彼らが居る、という安心感は、流石だなと思います。
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