破綻と繋がり - ひぐらしのなく頃にの感想

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ひぐらしのなく頃に

4.754.75
文章力
3.50
ストーリー
3.75
キャラクター
2.75
設定
4.25
演出
4.50
感想数
2
読んだ人
3

破綻と繋がり

4.54.5
文章力
3.5
ストーリー
4.0
キャラクター
4.0
設定
4.5
演出
4.5

一部では有名な、PCゲームの文庫版です。 ゲームには、音が入っているので、宛ら作品の舞台に立って居るような臨場感も味わいやすいのですが 小説から入った人は、あの独特な世界観を、どう感じるのでしょうか。 一作目から順番に進めて(ゲームも読書も)きた人には、初出の内容が描かれています。 惨殺事件の起こる、一年前から続くお話。 双子のお話。 個人的に、好きな話です。 とてもとても、切ないですが。 詩音が沙都子に叱咤するシーンは、身につまされる思いがします。 沙都子と同じ境遇でなくとも、言葉通りに受け取らずとも 心に刺さる読者も少なくないのでは? 皆皆、純粋に、誰かを想って、必死に生きている様が 他人事のようで、生生しい。 ひぐらしシリーズ独特の恐怖に、幼さが垣間見える恋心が加わって 最後はやはり、期待を裏切ってくれないサスペンス。 このシリーズは、出題編、解答編と交差して 大きな一つの物語が完成されていきますが 途中から読んでも、すっと入っていける、文章と構成になっていて いつでも本を開くと彼らが居る、という安心感は、流石だなと思います。

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他のレビュアーの感想・評価

盲目の少女

綿流し編の回答であり付である目明し編。綿流し編では圭一視点だったが目明し編では詩音視点で話が進んでいく。スタートは昭和58年の雛見沢。一途で切ない片思いからか、少し不安定な文章が読者の不安を誘う。けじめの爪剥ぎの描写が有名だが生々しくて痛々しい。そしてけじめの後に失踪する悟史。恋の盲目さが暴走し、疑心暗鬼を生み出し、悲劇へ綿流しの惨劇へつながって行く。ムラの制度、けじめ、得体のしれない物に囲まれている独特の世界観。双子の二人、どちらか一人は、ムラの慣習で殺されるはずだった二人。一人は鬼の称号を継ぎ、一人はひっそりと生かされる。二人はある日不幸にも入れ替わって立場が逆転してしまう。詩音の中の忘れられた鬼が暴走していく。しかし、詩音とは紫苑、きちんと鬼を継いでいたのだ。描写はされていないがまわりの愛に気付けたかもしれないのに、愛は愛が無ければ見えない。盲目になった少女の悲しい物語である。この感想を読む

5.05.0
  • なのなの
  • 108view
  • 397文字

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