狼王ロボの評価
狼王ロボの感想
狼のアキレス腱
人間のどんな策略にも掛からず、力も強く、群れを統率する絶対的な力のある狼のロボ。そんなロボに家畜をあらされ放題の人間はてこずって、学者であるシートンを呼びます。ロボは人間の敵なのですが、ロボとロボに統率された狼の群れによって受ける損害をリアルに考えたりしなければ、読者にとってロボとはとても優秀で頭のいい狼。むしろカッコいい。その群れの中にいるロボの妻のブランカが人間の罠にかかって死んでしまうと、途端にロボが壊れていくのですが、その姿がとても悲しいです。人間はなんて卑怯なことをするんだろうと思うほどです。ロボにとってブランカは本当に大切だったんだろうな。
何度も読み返した
日本ではいなくなってしまった狼ですが、ずる賢い狼の群れの王ロボとの戦いを収めたシートン動物記です。子供の頃夢中になって何度も読み返した大好きな作品のひとつです。狼王ロボは賢い狼の中でもとくに賢く、普通の狼に通じる罠をことごとく破っては、あざ笑うかのように看破して家畜を襲っていきます。人間もいろいろ考えて対策をこうじるのですが、中々うまくいきません。この辺りになってくると始めは憎たらしいロボがなんとなくかっこよくなってきます。最期はロボを捉えるのに成功するのですが、なんか泣けてきます。是非お子さんがいるのならおすすめしたい作品ですね。とてもいい作品だと思います。
夢中になりました
動物の大好きな私が幼いころに夢中になって読んだ物語のひとつです。シートン動物記の中でもとくに有名なエピソードのひとつだと思います。人間がどんなに知恵を絞ってもその裏をかき、まるであざ笑っているかのように巧妙に仕掛けられたワナすべてを見破ったロボ、本当に敵役としてもうってつけでしょう。それなのに自分がとても愛した(のであろう)妻、ビアンカの捕獲をきっかけにとうとう人間に捕らえられてしまうあたりは、単なる狼とは思えないくらいのキャラクターだと思います。読後すぐにあった学芸会の劇、「赤ずきんちゃん」で、女の子の中で唯一、狼役に応募してしまったくらいはまってしまったお話です。