盲目の少女
綿流し編の回答であり付である目明し編。綿流し編では圭一視点だったが目明し編では詩音視点で話が進んでいく。スタートは昭和58年の雛見沢。一途で切ない片思いからか、少し不安定な文章が読者の不安を誘う。けじめの爪剥ぎの描写が有名だが生々しくて痛々しい。そしてけじめの後に失踪する悟史。恋の盲目さが暴走し、疑心暗鬼を生み出し、悲劇へ綿流しの惨劇へつながって行く。 ムラの制度、けじめ、得体のしれない物に囲まれている独特の世界観。 双子の二人、どちらか一人は、ムラの慣習で殺されるはずだった二人。一人は鬼の称号を継ぎ、一人はひっそりと生かされる。二人はある日不幸にも入れ替わって立場が逆転してしまう。 詩音の中の忘れられた鬼が暴走していく。しかし、詩音とは紫苑、きちんと鬼を継いでいたのだ。描写はされていないがまわりの愛に気付けたかもしれないのに、愛は愛が無ければ見えない。盲目になった少女の悲しい物語である。
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