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- 献身的な愛
4.674.67
- 文章力
- 4.45
- ストーリー
- 4.60
- キャラクター
- 4.25
- 設定
- 4.50
- 演出
- 4.25
- 感想数
- 12
- 読んだ人
- 40
ガリレオシリーズの中の一作ではあるが、物理学者湯川の側面よりも、
一人の人間としての湯川の側面が表に出てくる今作。
トリックに科学の一面がないわけではないが、
人を思う気持ちがここまで大きなものになり得るのか、と感動すら覚える一作。
他人を助けるために、ここまでのことができるのだろか、
しかも見返りもなしに……。
読後は、ラストのどんでん返しも驚きだが、この内面の問いの方が大きくなっていく。
天才物理学者vs天才数学者、と煽りがつくことの多い本作だが、
帝都大学(立ち位置は東大か)と高校の教師、スマートな湯川とだるまの石神など、
ポジションもスタイルも、対比されて描かれている。
映画化されるとき、堤真一が石神と聞いて、かっこよすぎる…と思ったが、
これがまた、凄まじい好演で、ぴったりなのだ。
少し老けた感じを出すために、前髪を抜いて額を広くしたという。
映画もおすすめできる、傑作です。
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他のレビュアーの感想・評価
想いの形
私が誰かを殺してしまったとき、誰かがそれを隠蔽してくれるといったとしたら?もしくは誰かがその罪をかわりにかぶってくれるといったら?その相手が、自分の肉親でもなんでもない男だったとして・・・・。そう考えたとき、容疑者Xの献身ぶりよりも真犯人の身勝手さ・浅はかさのほうにより強く意識が行きました。フィクションだからと言ってしまえばそれまでですが、そんな申し出を受けてしまえるのが納得がいかないです。それをネタに一生強請られたり、罪悪感を抱えて生きていく方がよっぽど辛いと想像するのに難くはありません。愛することに不器用で、こんな表現しか出来なかった男。悲しいですね。
4.54.5
哀しい殺人
湯川教授の登場するシリーズの初の長編作品。主人公は高校数学教師で、湯川の学生時代の友人。母子で暮らす隣人が犯した殺人事件を隠蔽するために、自らも別の殺人を犯して彼女達を庇おうとする。湯川が友人の犯した罪を暴く。どうしてそこまでして・・・と、悲しくなる犯罪である。生きる希望を失っていた主人公が、微かな生きる希望を与えてくれた隣人のために殺人を犯す理由が物悲しい。加害者に同情の余地を与えるような物語は好きではないのだが、理由や言動どれもがとにかく悲しく、涙が出る。虚無感というのだろうか。小説・映画どちらもとても面白く、それぞれ楽しむことができる。好きな作品だ。
4.54.5
やっぱり面白い!
ガリレオシリーズの1作ですが、ガリレオシリーズの科学的な謎解きとは一風変わり、人間関係に重点が置かれているように感じる作品です。ガリレオとその友人(石神)の頭脳戦が描かれていますが、その中にあるお互いの気持ち、願いなど、いろんな思惑が交差し、その情景が目に浮かぶような作品でした。推理小説ではあるものの、ほかの東野さんの作品と比べても、若干毛色の違った推理小説だと思います。(本格推理小説か?という議論もあったそうです)有名ではありますが、映画化もされており、こちらも各キャストがいい味を出しています。どちらを見ても、両方見ても楽しめる作品だと思います。
4.04.0
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