現代につながる問題を提起しています
この小説は、70年代に実際に起きた、外務省の機密漏えい事件をテーマにしていますが、日米同盟や、沖縄基地の問題など、現在も争点になる問題を提起しています。 主人公の弓成亮太は、大手新聞社の敏腕記者で、スクープ合戦に明け暮れています。 政財界に知人も多く、外務省にも顔が利き、仕事のできる優秀な記者です。 ところが、外務省の機密漏えい事件をスクープした事によって、どんどん人生の歯車が狂ってしまいます。 スクープしたのは、懇意にしていた、外務省の美人事務官から、資料を手に入れる事ができたためで、これが問題となります。 外務省事務官との出会いや、男女の付き合いが少しづつ描かれていますが、何故、女性が資料を持ち出したのか、そんなに弓成に気に入られたかったのか、そこのところが、さらっとしか描かれていず、最後まで、今ひとつ不明確でした。 個人的には、国家機密と、記者の個人的なスキャンダルを、一緒に語る事が陳腐であると思いますし、この小説は、スキャンダルの部分を前面に出しすぎてる気がします。 題材は、非常に興味深いものだったので、そこが残念な部分でした。
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